缶切りは、缶の中

ミュージカル座の新作「センス・オブ・ワンダー」を観てきました。これまで新馬場の六行会ホール(「笑点」の会場として有名ですよね)での公演が多かったのですが、今回は新大久保の東京グローブ座でした。

ついに指定席に!

これまで、自由席主体でした。ファンクラブの会員用席などもありましたが、自由席券をキャストが売りすぎて混乱したこともあり、ついに指定席に踏み切ったようです。ウチのコラムで、そろそろ指定席にしましょうと書いたのが読まれたのかなぁ、と。

今回は発売日当日に購入したチケットでしたが、右サイドの中段ブロックしか手に入りませんでした。これまでのミュージカル座のチケットは、公演2日前ぐらいまで入手できていましたので、発売初日に殺到したとは考えにくく、ぴあ券に良い席を手当てしてないのかな、と感じました。

後日に別の回のチケットも入手したところ、同じブロックの同じような座席でした。予感が確信に変わった次第です。ただし、グローブ座は座席が横長に配置されているので、サイド席の前段ブロックであれば、パーシャル席(部分的に見えない)にも成るので、ほどほどに楽しめました。

ファンクラブに入ってみると・・

こんなことを書くと、ポン太の正体がバレてしまいますね。ファンクラブに申し込みました、会場で。以前は高い会費だったと思うのですが、今回は入会金2,000円、年会費2,000円で手頃感がありました。またチケットは何枚買っても1枚当たり500円引き、会報あり、先行予約あり・・。

そして最大の特典は、その場で次回公演のチケットを買えたことです。次回作は、ポン太のお気に入りナンバー2の「ルルドの奇跡」再演です(ちなみに、ナンバー1は「ミュージカル・李香蘭」、ナンバー3は「キャッツ」)。原則として同じ作品は2度観ませんが、その場でチケットが取れたので、買ってしまいました。

次回は、東京芸術劇場のミュージカル月間に参加する形で、中ホールです。随分と客席も多くて、大躍進ですね。見慣れた座席配置表を観ると・・・前方席がガラガラで、選り放題だったのです。初日初演です。前から2列目のど真ん中を買ってしまいました(笑)。でも、両サイドの後方席にだけマジックで囲いがあって「ぴあ」と書いてあります。

缶切りは、缶の中

近頃、ミュージカル座の名前を目にする機会が増えました。雑誌に広告が出ていたり、公演CDがショップで売られていたり、注目度が上がっています。そして、東京で最もミュージカル作品数が多い、東京芸術劇場へ進出です。自然と注目されるはずなのですが・・両サイドの後方席しか開放していないのは、どうかなぁ。

東京芸術劇場は、リピーターの多い劇場です。どれか一作品を観て楽しんだお客様が、別の一作品のチケットを買って帰ることが多いと聞きます。そういうお客様を失望させてはダメだと思うのですよ。一度ファンクラブに入るか、劇団員に知人ができないとダメなんて、缶切りは缶の中。いつまで経っても、ルーキーのお客様を呼び込めません。

スイセイ・ミュージカルは、前方席でも「ぴあ」で取れます。昔に配席表を見せて貰ったら、会員用と一般用が一列ずつ交互に設定されていました。斯く、あるべしです。これならルーキーでも良い席が抑えられますからね。前方席で強い印象を受ければ、お帰りの際にファンクラブ入会間違いなしでしょう。強いインパクトを与えられれば・・ですけど。博品館劇場では、劇場売りの枠がはっきりしていて、数席ですが窓口売り用の良い席がありました。

缶切りを持っている人だけが、缶を開けて楽しむことができます。しかし、缶を開けるための缶切りは缶の中にしか無い。缶切りを遣わないでこじ開けることに成功し、その中に缶切りを見つけたら、普通はどう思うでしょうかね。
初めてのお客様にこそ、良い席を提供してあげるべきだと思います。たとえ数席でもですけれど。ルーキーを呼び込んでこそ、ファンの裾野が広がると考えていますので、一考を頂けましたら。