ハーモナイズド・ハーモニー

ソロやデュオにはそれなりの味があって好きですが、やはりコーラスの方が好きです。しかしコーラスで聞かせてくれる作品は、そう多く無いのですよね。とくに調和がとれず雑味の多いコーラスには、閉口します。

ハーモナイズ

普通は、男声と女声、低音と高音、あるいはその複合で、コーラスは聴かせてくれます。合唱団ともなれば、そのパート割りがしっかりしていて綺麗なコーラスがありますが、ミュージカルではコーラスだけでキャストを選ぶわけに行きませんので、どうしても半端な構成に成ってしまいます。また歌えないキャストも混じりますしね・・。

どれだけ上手なパート割りをし、かつ強すぎず弱すぎないバランスを取るのか、が音楽監督さんの技なのでしょうか。バランスと調和を図るのは、結構難しいそうです。シンガーの人数をそれなりに増やしていけば、結構図りやすいとも聞きますが、小劇場系では難しいようです。実際なかなかお目に掛かれません。

雑味の原因

雑味というのは、つまりノイズです。パート別に分かれきれなかったり、少し旋律に外れている人が混じったり、声が掠れたり裏返ったり・・・と雑味が混じります。何度も練習した結果としてなら仕方が無いのですが、あまり気づかれていない劇団もあるようで、客席サイドからでは聞き苦しいコーラスを平気で歌っていることもあります。

デュオやトリオまでなら何とか合わせられるようですが、カルテット以上ではかなり難しいと聞いています。またシンガーに合わす気があれば良いのですが、なかなか自己主張の強い個性的なシンガーが多くて苦労もするのだとか・・・。シンガーサイドでは、その雑味に気づきにくいこともあると思われます。

ハーモナイズド・ハーモニー

最近で素晴らしかったのは、「クローサー・ザン・エヴァー」です。6人のシンガーが集められた作品で、女声3本・男声3本で低中高のパート分けもされていました。ソロからデュオ、デュオからトリオ・・・と声の本数が重なるごとに綺麗に被さって、見事なハーモニーを醸し出していました。いずれのナンバーでもそうでしたので、かなりご苦労をされたことでしょう。

この作品はレビューショー擬きだったので、シンガー重視で集められたということもありますが、それでも完成度の高いハーモニーをハーモナイズドしてあったことには敬服します。

いずれにしても、コーラスのレッスンの際には、客席サイドで録音をしたり、スタッフがしっかりとダメ出しをしたり、として欲しいです。耳を澄まして一人一人のシンガーの声が聞き分けられるようなコーラスは、不十分です。雑味のない綺麗なコーラスを聴かせて欲しいです。