第48回「ポン太の五つ星」で、一応はコメント評価の基準を示しています。独自のチェックリストを作って評価していますが、このチェックリストはかなり偏見が含まれるので公開しません。ただ言えることは、コメントに時々書いてあるように、チケット代の要因が大きいです。
コメントは、費用対効果
例えば、14,000円もする帝国劇場の公演を観るとします。4,500円クラスの中堅商業劇団の公演なら3本は観られる値段です。当然ながら、セットやキャストの質が・・3倍は無いとバランスが取れません。公演時間は若干違いますが、公演時間と作品の質に相関関係がない(無用に長い作品は、質が悪い傾向にあります)と考えているので、公演時間は考慮しません。
つまり2,000円クラスや3,000円クラスの作品であれば、お得度が高くなるので、当然にコメントは良くなる傾向にあります。キャストやステージ評価について顕著で、演技力や歌唱力・ダンスについても値段相応という判断基準で考えています。ただし、作品の基本素材であるシナリオとナンバーだけは、チケット代をあまり考慮しません。良い作品は今後良いキャストを集めてハイクラスなチケット代を取れる作品に化ける可能性があるからです。
チケット代は、どう決まる?
大手商業系のチケット代は、どれだけ利益を上乗せするかに掛かっていますので、あまり参考になりません。○○劇場を使うからイクラ、主演が△△だからイクラ、と見込んでいるようです。派手な宣伝費も使うことですし・・・なかなか難しそうです。
普通の小劇場系では、観客動員数から1人当たりのコストを弾きだして、赤字が出ない程度の価格に設定するのだと思います。また劇場のランクに応じて「○○劇団がイクラだったからウチはイクラ」なんて決め方もするかも知れませんね。かなりの公演実績のある劇団なら、前回公演のチケット代をベースに考えるかも知れません。
でも、本当は作品の出来で決まって欲しいのです。どのレベルのキャストを集めて、どれだけの質の作品を観せるかを勘案して、自分が一般客の立場ならイクラを出しても良いか、を考えて欲しいです。現実問題としては、チラシにチケット代を刷り込んでから、キャストを決めたり練習を始めるので、なかなか難しいことは分かります。
公演当日、チケット代に見合う作品を見せられなかったら、チケット代の一部を返金するぐらいの覚悟があって欲しいです。ゲネの段階で、チケット代に見合う出来が期待できそうになかったら、ファンサービスで埋め合わせるとか・・・さらなる特訓に励むとか、頑張って欲しいです。
「本作は○○円クラスですね」というコメントはチケット代との大きなギャップを感じた場合のものです。演出家以下スタッフからの客観的な判断でチケット代が決まってくれると嬉しいです。
- 輸入物は版権とか翻訳とか作品に関係のないところでコストが掛かりますので、オリジナルとの間に評価の差を付けています。
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