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雑記帳No.204
オンオフしましょう

 コンピューターは、不安定な生き物です。めちゃくちゃに素晴らしい計算を高速処理できる一方で、たった一つのエラーで致命的な失敗を引き起こすことがあります。可能な限り、エラーをリカバリーできるように、コンピュータのオペレーティングシステムが頑張っていますが、リカバリーの効かないエラーも多々あります。
 エラーと一概に言いましても、ハードウェア障害(機械的なエラー)、ソフトウェア障害(プログラムバグとか)があります。前者は機械的なものの宿命でもありますが、寿命やタイミングにより問題を引き起こします。後者は長期間運用することで少しずつ問題を解消することができますが、一定の頻度により発生するのは仕方が無いようです。

 ハードウェア障害は、可能な限りハードウェア運用を安定させることで解消できます。よく壊れるのは、起動時と停止時です。外的なノイズで壊れることもありますが、大きな変化を生じると壊れやすいです。かといって長期間連続運転させると、運転時間次第で寿命が縮まったり、熱蓄積の問題などで危機に晒されることもあります。必要性に応じて運用を考慮する必要があります。
 ソフトウェア障害は、可能な限りソフトウェア運用を安定させることも有効ですが、ときどきリフレッシュさせることが必要です。同じ計算を繰り返しさせるほどに、バグでミスが累積されたり、一定確率での演算エラーが致命傷を招いたりします。このためメンテナンスツールを運用したり、ソフトの起動と終了をこまめに行ったり、無理な運用を避ける必要があります。
 複雑系と呼ばれるようですが、複雑なハードウェアほど、難解なソフトウェアほど、障害を招きやすく危機を生じやすいようです。シンプルであるほど、危機は招きにくく、致命傷を受けにくいこともあります。コンピュータのOSでも、エラーを生じやすいハードウェア、ソフトウェアがありますが、基本思想や作成者の在り方に、問題が内在していると言われます。

 何はともあれ、人間の頭脳も一種のハードウェアです。そこに知識ベースで活動するソフトウェアが搭載されています。細胞組織と、それを繋ぐ電気信号とが、複雑な演算をこなしています。きわめてシンプルかつ合理的に構成されているため、実際のところはコンピュータよりも優秀であると聞いています。考えが至らず不十分な演算結果を出しやすいのは、演算機能を十分に運用していないだけでしょう。決して、ハードウェアやソフトウェアの責任ばかりではありません。記憶を得意とする場合、演算速度を得意とする場合、複雑な演算を得意とする場合、アバウトな演算を得意とする場合、得手不得手はあるでしょうが、性能面での差異は少ないはずです。
 ハードウェア障害が発生しても、多くの場合は自己回復機能により修復されます。パーツ交換で対応できないだけに、多少の時間を要しても修復可能な機構が構築されています。その最たる物が、睡眠です。眠ることにより、ハードウェアやソフトウェアの負担を軽減し、その中でエラー回復や修理が進みます。記憶の定着や整理、忘却が適宜バッチ処理され、日中の稼働時間に処理できない課題を次々に処理してくれます。そのために、人間は日々睡眠を必要とすると言われます。

 したがって、人間として頭脳を休ませることは、必須です。寝不足を累積させ、寝ぼけ眼のまま、頭脳を酷使しても始まりません。睡眠時間を切り詰めるなど、論外。適当に休めることが重要です。また気分転換も欠かせません。頭脳内での演算は、それぞれのテリトリーで処理されます。同じ演算を繰り返すと、特定のテリトリーだけが酷使されます。それだけ性能が高まる場合もありますが、劣化を避け修復を助けるためにも、可能な限り、いくつかの演算処理を、時間とテリトリーを分けつつ行うのが、重要でしょう。
 というわけで、ポン太も頭脳を毎晩オフし、毎朝オンする生活を送っています。やや過酷気味に頭脳を使っていますので、少しでもオフ時間を長くするよう努力していますが、酷使によるストレスが蓄積されているようです。あまりストレスが掛かると、ソフトウェアが誤動作し、ハードウェアが壊れるので、ほどほど休ませるように致します(と、更新遅れの言い訳に結びつけるのでありました)。

02.03.10
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