小椋さんのミュージカルを観てきました。年1回のペースで、夢と愛をテーマに演じられる子供ミュージカルです。子供に分かりやすく訴える作品が多いですから、ポン太にもよく分かります。いわゆる「みんな仲良し」ではなく、子供なりに迷い悩む過程を描き、面白く仕上がっています。
今年のテーマは、「本当の夢は、何?」「本当の夢なら、頑張れるの?」でした。いい歳になって、将来の夢も無いはずですが・・「本当の夢は、何だったろうか」と考えてしまいます。少なくとも、今の生活は昔の夢とは違っています。場当たり的に辿り着いた印象がありますが、それなりに悠々自適(残業三昧ですがね)な生活を送れています。「夢を思い描いてきたから、ここまで来た」と言えますが、それはもう「叶わぬ夢」で終わるのでしょうか。
とりあえず、自分のことは棚に上げます。台所の戸棚に入れて、鍵も掛けて置きましょう。はい、他人の夢ですね。数多くの知人たちを見ていますと、彼ら彼女らも夢を口にしています。十代後半の夢に比べると、二十代後半の夢は苦しい感じがします。具体性がなく、実現性に乏しい。夢を追うというよりも、夢の残滓を味わう感じが伝わってきます。酒のつまみに、夢らしいものを語り合って、心を癒すようです。
いつかも書きましたが、子供の頃の夢を叶える人は、世の中にどれ程あるのでしょうか? ある程度は現実的な十代後半の夢を、二十代後半までに叶える人は、どれ程いるのでしょう? 私の知る限りでは、あまり多くない印象です。統計的な裏付けは無いですが、5人に1人ぐらいでしょうか・・? とくに夢を吹聴している人ほど、叶える割合は低い気がします。吹聴するばかりで、努力を伴わなかったのでしょうか?
「本当の夢」と良いながら、実は「見栄の夢」というのもあります。他人に言うと格好良い、努力しないで実現すると楽だな、人並みな人生は嫌だ。そんな理由で「本当でない夢」を口にしている人が多いとも感じます。昔は「本当の夢」だったけれど、「自分でも叶わないと知った夢」なのかも知れませんね。そういう「本当でない夢」を信用すると、大変です。
例えば、知人で俳優を目指していた人たちが大勢います。しかしプロ劇団に入った人は、2人だけ。アマチュアでもオーディションを駆け巡っている人は、3人。とりあえずアマチュアで頑張っている人は、10人程度。演劇から逃げ出した人は、20人にも成りますか。夢を叶えるのは、大変ですね。叶えるために頑張るのも大変ですが、それを長年続けることは苦行でもあるようです。
アマチュアに留まっている人たちも、あと何年かすると、逃げ出してしまうのでしょうか? アマチュアも長く続ければ立派なプロですが、年齢的な問題や家庭的な問題もあり、いずれリタイアしていくことでしょう。「いつかプロになるんだ」と酒場で息巻く知人を見ると、「見栄の夢」なのか「本当の夢」なのか、半信半疑で見つめてしまう今日この頃です。
しかし、見栄のために頑張るのは虚しく、長続きしないでしょう。本当のためなら頑張ることも容易く、長続きするでしょうか。「継続は力なり」とは言いますが、時間は本物を偽物に変えてしまう非情さを持ちます。磨けば光ったはずのダイヤの原石が、いつしか土塊に変わってしまうのは、とても残念に感じます。もう大部分が土塊のポン太には、関係が無い話でもありますが・・。
01.07.29
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