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雑記帳No.176
壱萬円からお預かりします

 5年ほど前までは、コンビニで一万円札を出すために、勇気が必要でした。「千円札が不足しているので、ご協力お願いします」とか、「五千円札・一万円札はご遠慮下さい」とか、書かれているのが一般的でした。書かれていなくても、「一万円は困るンだよね」と嫌みを言われたこともありました。
 経験的には、五千円札は千円以上の買物で、1万円札は三千円以上の買物で、ほぼオッケーだったように思います。それ以下の買物では、露骨な態度を示されていたように思います。最近では、五百円の買物でも1万円札オッケーなので、良い時代に成りました。とはいえ、駅構内や駅前のコンビニでは、相変わらず注意書きを見掛けます。

 色々と物売りの経験をしましたが、単価の細かい小品は、ドーナツと書籍でした。ドーナツ屋ではマニュアルがあって、1万円札を預かれば「1万円札入りま〜す」と大声でコールする決まりです。また精算が終わるまでレジ入れ禁止も鉄則でした。一つには、店員の確認ミス防止。二つには、顧客の思い違い防止。の効果があるそうです。千円札を出した顧客が、五千円札や1万円札だったとクレームを付けるケースが多いので、要注意です。
 さらに続きがあります。「入りま〜す」のコールには、「お願いしま〜す」のコールを全員で返します。従業員は全員聞いていますというのをアピールするのが狙いです。次に、四千円の釣り銭だと、「4千円の確認をお願いしま〜す」とコールして、誰かに目視で確認して貰います。再度、顧客の前で数えてお渡しします。「大きい方、お確かめ下さい」と申し添えるのもコツです。後で足りないと言わせません(笑)。

 書店では、「1万円入りま〜す」のみでした。札の確認までやっている余裕がありません。とくにレジと事務所が遠かったので、他の従業員が居なかったりしましたし、居ても隣でレジ仕事なので、手一杯でした。もちろん「大きい方、お確かめ下さい」は欠かせませんが・・。マニュアル化されていなかったので、釣札と釣銭をレシートと一緒に渡す従業員もありました。ドーナツ屋では、厳禁でしたけれど。
 お客の立場では、釣札と釣銭はどっちが先を希望なのでしょう。私は札入れと小銭入れは別なので、できれば釣銭から貰いたいです。でも高額の場合は釣札を先に、確かめたくもあります。レシートの手間を言えば、釣札が後の方が便利でしょうかね。一緒だと、釣銭をバラまくことも多くて大変です。また従業員が落とすケースも多いですね。

 書店で従業員仲間に注意されたのは「一万円からお預かりします」という言い回しです。パソコン屋でもドーナツ屋でも「から」を使っていたのですが、違和感があるようです。どうして「から」を使うのでしょうか? 「一万円お預かりします」で十分な気がしますが、結構使われていますよ。「千円からお預かりします」とか「丁度からお預かりします」とは言わないようなので、「から」は高額紙幣に対する丁寧語なのでしょうか・・?
 何方かご存じの方は、教えてください。よろしくお願いします。

01.06.10

補足1
 ドーナツ屋時代に、千円程度の買物で領収書を欲しがるお客がありました。「領収書の日付は空欄で良い」とか、「品代は書くな」とか、「○○法律事務所にしてくれ」とか、細かい注文が多いのも特徴です。こんな少額の領収書も積もれば大変なのでしょうね。
 パソコン屋のノリで「ご名義はどうしましょうか?」などと訊ねると、ドギマギするお客様が多かったです。他の従業員は「上様でいいですかぁ?」とか言っていました。「上」っていうのは、「お客様」という意味で「名無しさん」と同じです。「上様」に面食らう人も多いですが、「宛名は上でいいですか?」っていうのに困って居られました。
 パソコン屋では「上様」が珍しかったですけれど・・。ビジネスユースなら、当然ですね。またパソコン屋の領収書はカーボン複写なので、日付をボールペン書きすると税務署にバレました。お客様が空欄を望まれても、ほとんど埋めていました。年度末に調整するつもりでしょうが、領収書から除外される方が損失です。

 追伸。ご自分のご家族の書籍は、「○○歯科」「○○会計事務所」の名義で買わないでください。飽きたら待合所に並ぶかも知れませんが、プライベート分はレシート代用でお願いします。

01.06.10
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