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雑記帳No.172
こみっく・りさいくる(2)

 本コーナーでは珍しく、前回の続きです。

 コミック・リサイクル店の特徴は、品揃えです。漫然と書籍を並べがちの古書籍店とは違って、シリーズなどを良く揃えてあります。雑然とした棚を眺める必要もなく、思った作品がすぐに見つけられる工夫がされています。作者順とか作品名順とか、出版社別とかサイズ別とか、少年向けとか少女向けとか、ですね。全巻揃っているとパッケージ化されていますし、大部分がビニール掛け等されています。
 とにかく美しさに拘っています。立ち読みはさせていませんし、そもそも美品しか仕入れていません。カバーが折れているだけで値引きするシビアさが安心できます。それだけに、価格は高いです。定価の半額が中心でしたが、最近では7割8割の強気な販売も目立ちます。人気シリーズは、9割。絶版モノは、プレミア価格。店員さんもよく調べています。

 古書籍専門店で売られるコミックは、捨て値です。1冊100円前後ですが、ビニール掛けはしてありません。シリーズも揃えきっていません。価格調査していないので、結構な掘出し物もありますが、美品ではありません。ついでという姿勢が見えます。このため近頃は、一層売れないそうです。コミック買うなら、コミック・リサイクル店です。
 リサイクル店の特徴は、仕入れです。多くは、お客の持ち込み品です。廃品回収業者から買う店は、リサイクル店と呼べないそうです。他のリサイクル店と商品を交換してまで、全巻揃えることもあるそうです。カバーをキレイに拭いて、エッジは紙ヤスリを掛けています。販売したコミックを改めて買い戻して、再リサイクルも進めています。とはいえ、仕入れは安いのですがね。一般作品だと、1冊30〜50円です。
 それでも一般書店で買うよりは安いので、リサイクル店の利用客は増えています。販売されているコミックが、美品であることも理由でしょう。ゲームソフトのように、飽きたら売れば良いので、保管場所も必要なくお得なのでしょう。一種の貸本とも言えます。利益率が良いらしく、大手チェーンも増えていますね。駅周辺に3〜4軒のリサイクル店があるケースも、都内では多いです。

 しかし、安心していてはダメなのです。リサイクル店は増えていますが、競合が激しく、人気作品の入手が難しいのがネックです。人気が冷めた作品を大量に抱えると、商品の回転が悪化して大変です。またお客様も情報交換を密にして、買い叩く店や高値の店は人気が無くなります。その結果、閉店や移転に追い込まれるケースも増えています。
 リサイクル店も良心的でありながら、上手に儲ける工夫をしていって欲しいです。今こそ、貸本屋さんでも良いのかも知れませんよね。

01.05.17
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