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雑記帳No.121
認知的不協和理論

 久々に小難しいテーマですね。ジェッカーとランディという学者が提唱した理論だとのことです。
 例えば、路上ミュージシャンの前を通りかかっていたとします。何となく下手なのだけど、義理でお金を抛ったとすると、翌日以降下手な歌でも印象に残ったり、あるいは再び聞きに行ったりと、好意を抱くようになるそうです。あるいは、スカな役者の芝居を義理で見に行ったとき、高いチケット代を払わされるほど、何となく良い演技だったように思えてくるそうです。

 これらは、「自分が一定の代償を払ったのだから、それは代償に見合う以上の価値を持つものだ」と深層意識が認知を替えてしまうからだそうです。つまり、支払った金が惜しい、遣わされた時間が惜しいというイライラを解消するために、実は良いものだったんだ、あるいは価値のあるものなんだ、と思わせてくれるわけです。
 ある意味で有り難いことですが、ある意味で危険なことでもあります。いけ好かない候補者なのに、握手をしてあげた結果、無意識に支援者になっていたり・・・。中身スカスカの大馬鹿モノなのに、何となく魅力を感じてしまって結婚したり・・・。本当は下手クソなのに、何となく上手い役者だと応援してみたり・・・。結構、難しい話でありますね。
 詐欺師の場合、こうした人間の深層心理を巧みについてくるそうです。言葉巧みに言い寄ってくるのは、三流詐欺師。一流詐欺師は、ごく自然にソフトに接近してきて、無意識に好意を抱かせるワザに長けていると言います。ちょっとした好意を受け、それを少し膨らませた好意で返す。その好意の返しをナチュラルに受け止め、それをさらに大きい好意で返す。最後にガバッと取り込んで、トンズラ。場合によっては、詐欺に嵌ったと被害者に意識させないほどの例もあるのだとか。

 それはともかく。一度好意を持った相手には、とことん好意を押しつけたくなることも人情です。「痘痕も靨(読めますか?)」の言葉通り、一旦好意を抱いてしまうと、認知的不協和理論に従って、恋が芽生えるそうです。「恋は盲目」という言葉もありますしね。いつか冷静になると、何もかも幻想だったことに気づくのかも知れませんが、そのギャップが大きいほどにリバウンドも大きいものだとか。
 深層心理の悪戯とはいえ、なかなか難しいようです。皆様もお気をつけください。

00.07.30
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