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雑記帳No.094
ファミリー・コンプレックス

 ファミリー・コンプレックス、略して、ファミコン(違うって)。要するに、家族を持てない劣等感でしょうか。震災から丸5年に成ります。スカッと家族を亡くして今日まで、あまり不自由を感じたことはなかったのですが・・・何となく恋しいですね。別にもう30歳にも成りましたし、今さら嫁さんや子供が欲しいというのでもないですけれど・・・。

 この4年ほど、疑似家族を持っていたようでして、いわゆる家族愛的なものに飢えていなかったのも理由ですね。某所にいけば今でも父御・母御が居ますし、某所の関係者には姉御・妹御・弟御が居たわけです。相手も比較的疑似家族を楽しんでいたフシもあり、互いに居心地が良かったのですね。
 しかし今年から忙しくなることもあり、本質的には他人なワケですから、とくに姉御や妹御とは、距離を置こうと考えている次第です。弟御はどっかへ行ってしまった(う〜む、美大志望なのか。大丈夫か?)。あれこれ負担が増えていますし、何より私自身にキャパが不足しています。こんなのじゃダメなのですがね。

 どうして家族が欲しいか、ということです。家族には利害関係がないですよね。財産問題とかはありますけど、家族愛は無償なわけで、最後の砦はやはり家族にあります。また外部に対しては自分を作ってみても、家族には地のままで接することができます。家族にも地を見せられなかったら、そりゃあ他人ですよ。
 また、当然ながら自分の弱いところをさらけ出せることもあります。親友でも可能でしょうが、社会人になっていつまでも友人に甘えるのは無理です。互いに家庭を持ちますしね。たまに愚痴を聞き合うので、精一杯でしょう。結婚して自分で家族を作るとしても、奥さんは厳密には他人ですから、あれこれ苦労も必要でしょう。子供も十分に自我が育つまで、本音は語れないでしょうね。
 いつまでも私自身に弱い部分が残っています。文章だから書けるのですが、口では言えません。多くの場合、自分自身に魔法を掛けて、弱い部分を誤魔化しています。それでも、どうしても騙しきれない部分があります。こういうときは、心底血の繋がる家族があればなぁ、と思います。疑似家族では、やはり言えることに限界がありますよね。

 それから人目が最近気になります。もう若くない、と自覚し始めたこともありますし、職場でもそろそろ中堅ですか。いつまでも若手として甘えていられません。一応は内輪で甘えていましたが、これからは外部とも接して行かなくてはダメですね。しかし、他人は正直な意見をなかなか口にしません。変なヤツだ、嫌なヤツだ、と面と向かって言うことは無いでしょう。言う人がいるなら、その人の方が変で嫌なヤツのはずです。
 家族なら、他人が言わないことも言うでしょう。近頃太っただの、髪が薄くなっただの、口の利き方が横柄になっただの、服装がどうだとか、何だとか・・・。ある程度は友人や疑似家族でも大丈夫ですが、やはり本質的なところでは、人間関係に配慮して手加減しますね。そういう意味で家族が欲しいのですよ。

 とはいえ、求めても満たされないからコンプレックスです。ファミコン・・・では世間請けが悪いので、次回はシスコンとでもしましょう。

00.01.02
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