Passengers:乗客たち
私が掲示板を運営していて感じた印象は、「掲示板はワンマン形式の乗り合いバスだ」ということです。掲示板の参加者は、そのバスの乗客たちという感じです。掲示板には管理人がありますが、概ねバスの運転手、あるいは乗客の1人、あるいは誘導員かも知れません。いろいろな管理人のスタイルがあるかと感じています。
掲示板の参加者は、バスに乗り込んで乗客に加わります。先に乗車している客との話を楽しむもよし、誰か話の合う乗客が乗り込んでくるのを待つのもよし、運転手を捕まえて絡むもよし、大声で1人叫んで出ていくもよし、窓を開けて外部の人を呼び込むもよし、窓越しに広告を見せて自己PRするもよし、管理人が文句を言わない限り自由ですね。もちろん窓から中を覗き込むことも、乗客として発言せず聞き手に回ることも自由です。
私は結局管理人たる地位を放棄したのですが、本来は不味い発言を繰り返す乗客にはイエローカード・レッドカードを提示し、素行の悪い乗客は引きずり下ろし、発言を削除したりも必要なのでしょうね。話題が盛り上がらなくなったら、自ら話題を提供し、他人の発言には積極的にフォローをし、あちこちでPRして多くの乗客を呼び込まなくてはいけなかったのでしょうね。
初めて掲示板を持ったのは昨年の6月、家系図コーナーでした。結構本気で家系図に取り組んで居られる方が多いので、意見交換の場にしようと思いましたが、圧倒的に多い書き込みは、「私のルーツを知りませんか?」というもの。詳細にデータを開示される方の場合、その人もお手上げなほど調べて居られるので、私がコメントをする余地がありません。出身地と名字だけ開示される方の場合、もはや手掛かりナシで、私がコメントをする余地がありません。多少コメントしても、次々に書かれる要望は手に負えませんでした。
結局、この掲示板の管理人たることを放棄して、その後閉鎖しました。途中ボランティア精神に溢れる方がフォローして下さいましたし、一時期は期待した専門家の意見交換の時代もあったのですが、管理人不在の中、際限のない要望で埋まり、専門家の方々は別の掲示板を新設して移られました。さしづめ、行き先の見えない満員バスに見切りをつけたということですか・・・。
次にメインページ用とミュージカル用とを持ちました。どちらも閑散とした掲示板で始まり、前者は3名ほどの参加者のみ。後者も似たような感じでした。当時はミュージカルのアクセス数も少なかったので、掲示板もメインページのサブ用に転用しました。転用の最大の理由は、いつのまにか盛り上がり始めたメインページが専門特化しすぎたため、参加できないという方が増えたことです。一日に40件の書き込みを戴く日もあり、話題の転換に付いていけないというご意見もありました。
さしづめメインページ用掲示板が、一番私の期待に応えてくれたモノでした。昨年の11月と12月がピークだった掲示板も、だんだん重荷になります。一つは常連さんの発言が増え、少しずつ中身の密度が濃くなることです。あるいは親しく成りすぎて、すこし馴れ馴れしさが増し(つまり一般参加者には参加しにくくなる)、参加者同士の諍いも発生しました。活気があって話題が豊富だったことは救いでしたが。
しかし一番の問題は、管理人としての負担です。もともといい加減な管理人ですが、一応丁寧にレスを書き込み、質問等には返答を、発言等にはコメントを付していました。40件の書き込みがあれば、自分も40件分のレスを書くわけで、少ない日でも3つ4つ書くわけです。自分のレスに対するコメントも書かれるわけで、いろいろ時間が奪われました。
ところが、どんなに丁寧に対応したつもりでも、不手際はあるもので、ある特定の人だけレスを忘れたり、ある特定の発言にだけ中途半端なレスをしたり、全く誤解した返答を書いてみたり、するわけです。数が増え時間が限定されると仕方がないのですが、参加者個人の立場では「なぜ、自分だけ・・」と思われるでしょう。そうして1人去り2人去りします。格別そういうことがなくても、ある日を境にしてプッツリ来られなくなる参加者も多かったですね。
それでも自分のHPとリンクしている間は、新規の参加者も多くて盛況でした。しかし毎日更新を謳い文句にするHPと両運用するのは困難ですし、掲示板が活況になればメールも増えるわけで・・・HPのコンセプトともかけ離れつつあった掲示板の閉鎖を意図しました。とある自称ネットガーディアンの存在も見逃せませんが。
その後、管理人名も変えて地下に潜り(笑)、常連参加者を中心の掲示板を作りました。これは明かな失敗でした。まず新規参加者が増えない(当たり前ですね)、話題のスピードが上がる(そして煮詰まる)、空気が淀んでくる(一種のマンネリ化)のでした。
結局のところ、地下に潜った掲示板は更新中止の状態で放置してあります。運転手としては自分だけ降りて、当分の間だけ乗客の方々に運転を代わっていただく方法もあります。しかし、乗客の方の中でご自分のバスをお持ちの方もあり、またご自分のバスを持っていただくことも可能であるため、ガス切れ放置中なのであります。
冷静になって考えてみると、バスに同乗してワイワイガヤガヤ騒ぐのは楽しいですね。しかし、バックログを取るにしても、会話の中身は次々に消えていきます。たまに過去の発言を参照することがあっても、あまり蓄積や活用からは遠い感じがします。やはりHPのコンテンツを積み上げていく方が有意義かなと考えます次第です。本当は気楽に会話を楽しみながら、行楽気分でHP更新できると、楽しいのですけれど・・・近頃の時間とマンパワーの不足が補えません。
99.11.26
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