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雑記帳No.070
ドリーム・カラー

 あなたの夢は何色ですか? 普通の自然色ですか、どぎつい極彩色ですか、セピア色ですか、それとも真っ暗闇・・・? 私の夢は多くの場合無彩色です。

 夢のなかで夢を見ていると自覚することは多くありません。それでも、目が醒めて夢と現実が混同することはありません。夢が必ずモノクロだからです。ときどき部分的にカラーだったりするのですが、日常酷使している脳細胞が、画像を着色している余裕を持たないのでしょう。夢の中身にしても尻切れ状態で終わってしまうことが多いですし・・・そのくせ断片的な夢を見せるのですよね。
 世間では過去の体験や食べ物の夢を見ると聞きますが、私は過去の体験を見たことがありません。登場人物は全く知らない人物であることが多く、夢のなかでは違和感を感じませんが、絶対に誰かと混同することがありません。これも脳細胞が適当に手を抜いて辻褄を合わせているためでしょう。食べ物もいろいろ想像力を働かせる必要があるそうなので、脳細胞は見せようともしませんね。夢のなかで食べ物を創造するまでは普通だそうですが、それを触れる味わうというのは物凄く労力の必要なことだそうです。

 さて、その無彩色でみる夢ですが、子供の頃は同じ夢を繰り返し見ていました。薄暗い地下街を毎日毎日彷徨い歩いたものです。街路にはたくさんの商店が建ち並び、多くの商品が並んでいますが、人はほとんど見掛けられません。見知った街路をアチコチ動き回り、ときには地上へ出たり、駅へ向かったりとしましたが、結局どこなのか分からずじまいでした。当時は地下街の構造を図示できるほどだったのですよ。
 軍人(ゲリラかも知れない)になった夢も見ました。鉄柵に囲まれた基地へ乗り込むのですが、何人かで柵を破り(たぶん小銃だと思う)銃を担いで乗り込むのです。何度見ても、夢のなかでは他のメンバーの顔を見ようとしませんし、柵をくぐって正面にコンクリートの壁が見えた時点で目が醒めます。これって前世の記憶なんでしょうか。たぶん直後に殺されでもするのでしょう。

 震災の直後は、何度か実家で家族と話をしている夢を見ました。いずれも過去にはなかった勝手な夢ですが、サボリがちの脳細胞にしては、筋の通ったバリエーションを見せてくれました。でも、多くの場合は夢のなかで夢だと気付いて目が醒めたのです。これは虚しいですね。
 実家で姉貴とTVを見ていて東京の震災に驚く夢とか、子供部屋で一人留守番をしているところへ家族が帰ってきて目が醒める夢とか、母親と延々洗濯物の話に明け暮れる夢とか、父親が遺品のジャンパーを着込んでいてポケットの綻びを指摘した途端矛盾に気付く夢とか、う〜むと思うほどでした。自分では気丈に生きているつもりですが、結構弱い部分があったようです。

 近頃は脈絡のない夢が増えました。脳細胞が無気力になったせいか奇抜なものは見なくなりましたし、疲れる展開も減りました。ただ先日、横浜の中華街から変な街路に紛れ込む夢があって、これは細部までリアルだったので困りました。眠りが浅かったせいか長い時間見ていましたね。
 日頃の無彩色に似ず、ある門柱が真っ赤で、あやしい爺さんの顔が妙に血色の良い赤だったのが印象的でした。夢を見ないのは詰まらないですが、変な夢を見るのも疲れるものですね。

 読者のみなさんは、どんな夢をご覧になりますか? いつでもカラーが着いていますか? 夢が夢だと気付くことがありますか? 今日も幸せな夢が見られますように。

99.08.16
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