どんな議論が始まっても決して譲歩しない人っていませんか。交渉の場では自分の立場強く主張し、粘った方が効果的なので、中国の周恩来も使った手法ですが、それも最初のスタンスが重要です。どう考えても変な、あるいは不公平な位置にあったまま、自分の主張を譲らないのは最悪です。まして妥協は一切せずに、場違いな恫喝までする輩相手には話し合いするのも無駄になります。でも日本社会では、そんな人物でも席次が上がっていき、我々はそんな人物相手に四苦八苦することを迫られるのです。理不尽な社会です・・・
自分の主張を100として相手の主張を0とする数直線を考えて下さい。通常は話し合いの結果、50とか40とかで妥協します。自分の主張が誤っていない限りは10や0はあり得ないでしょう。しかしながら、上記のような人物は必ず0とすることを求めてきます。彼にとっての答えは0,1のデジタルしかなく、自分の主張0は必ず正しく、相手の主張1は正しくないのです。正義と悪に置き換えても良いでしょう。そんな彼と話をするのは疲れます。こちらから有用な情報を提供し、ベターな妥協案を示しても埒が明かないことに成り苦労するのです。また相手の論理の矛盾をついて説得を試みると、そんな話は聞く耳を持たない、勝手にしろの一点張り。屁理屈をこねていないで、間違いは訂正したらどうなんだ、なんて不満が溜まるわけなのです。
デジタルな貴方は上司に限りません。同期友人にもいますし、後輩にだっています。他人を評価するのに必ず色眼鏡を使いたがるT氏がいます。彼は必ず自分のスタンス0に対して他人の評価を0,1で付けたがります。0,1で評価できないときは、変人のレッテルを貼った上で評価を諦める性向を持っています。こんな彼とお付き合いするのも大変なことです。彼の評価が1であるうちは、どんなに議論を試みても無駄です。なんとか突破口を見いだして論破しようとしますと、相手にならんと逃げの一手です。そんな彼とも助け合って(何故?)やっていかないと仕事が始まらないのだから仕方がありません・・・
アナログな私が決して優れていると主張するつもりはありません。私も判断のつくものはデジタルで評価して行くつもりです。アナログはどうしても曖昧さが付きまといます。その分だけ暖かみがあって、相手の自尊心を傷つけずに済むことも多いのですが、その後の時間の経過が、議論の妥協点を歪めてしまうことが多いです(とくに相手の解釈について)。議論直後の結論が50でありましたのに、数日したら相手側で0に戻っていたりすることも良くあります。そんな相手にははっきり1の結果を突きつけないとトラブルの原因になります。アナログな私にとっては、単に100評価を付けるだけなのですが・・・なかなか難しい問題です。
98.05.24
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