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雑記帳No.018
小人さんの合議体制

 ポン太の職場の仕事は、頭脳労働です。体力の数倍以上も、精神力を消耗します。これぐらい精神力を使いますと、余程の気力が無ければ運動をしようなどと考えません。ポン太は毎日定時に帰るか、残業一時間程度で帰るようにしています。が、3〜4時間の残業をされる方もあります。
 さて、そうした場合は、精神のバランスメータがオーバーロードを示すようになり、放っておくと独りごとが出るようになります。始めは小さな声でブツブツと独りごとを言い、しばらくすると大きな奇声を上げることもあり、やがて他人に話しかけるようにはっきりとパソコンや書類を相手に話をされています。

 何故にこういう状態になるのかポン太は理解できないのですが、専らそういう方とお話ししますと、自分の中で纏めた考え方は絶対に正しいとお考えで、他人の意見を聞いて大きく方向転換することが苦手になるようです。意見に柔軟性がなくなるというか小回りが利かなくなるというか、そんな気がします。以前はそうでなかった人も、急に独善的になったり、頑固者になったりします。
 たぶん一つの結論を見つけるために、自問自答をして結論を纏めるルーチンに原因があるかも知れません。当初はいくつかの考えが頭の中に現れるのかも知れませんが、そのルーチンを繰り返し演算することにより只一つの答えを見つけてしまうのだと思います。自分の中でその意見が唯一絶対の地位を占めてしまうために、その結論に固執してしまうのではないかと考えてしまうのです。やがて思考が硬直化して、何度協議や合議をしても同じ考えに凝り固まったまま、理由を尋ねてもオレが正しいの一点張りという人は困ります。まして上司だと最悪です(決して、今の職場に居るとは言ってません・・・)。

 ちょうど始めからミーティングを開くように、十人十様の意見を聞き、それぞれの長所短所を討論し、各提案に優劣順位を付け、結論が出ないときは両論併記とする、などの手法を採用することで、多面的なモノの考え方ができるのでは無いでしょうか。しかし「今日の朝御飯を何にするか?」なんて議題を家族相手に繰り広げても煩雑なだけで、そういうことは自分の中で処理しなくてはいけません。そこで小人さんが再び登場します(笑)。
 まず自分の頭脳を100%同じ思考に振り向けるのではなくて、とりあえず50%ずつ二つの人格の思考に分けます。よくあるのが天使と悪魔に分けて、自分の行動の正当性を考えたりしますよね。しかし二人の討論はケンカ腰になって結論が出ないことがあります。そこで三人にしてみますと、討論をし易くなりますが、特定の2対1で毎回の結論が出るようになり、特定の人格が拗ねたりして大変です。理想はだいたい五人で、一人が交代で議長を務め、他の四人の討論で結論が出ないときは、議長一任とします。まあまあ民主的でしょう。

 この作業をどうやって行うかが難しいのですが、日頃から5人分の性格付けを詳細に設定し、飼い慣らす練習をすることが重要です。自分の思考を五つに分割するわけですから、かなり慎重でなければ建設的な意見が出ないまま、ありきたりの結論に落ち着くリスクがあります。どんな些細なことでも合議で決めるスタイルを身につけましょう(笑)。さらに一歩踏み込んで、遊び専門、お仕事専門、日常生活専門、などなどの小委員会を作って、例えば20名ほどの小人さんを飼うことができれば完璧です。少なくとも独り言のない楽しいマイライフが送れることと思います。

98.03.04
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