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雑記帳No.017
ポケットにガーディアンを

 捜し物が見つからないって、忙しいときほどにありますよね。持って出る必要がある大事なモノをわざわざ机の上に載せておいて、違うところばっかり探してみることがあります。持って出たつもりのはずが、どの鞄にもポケットにも入ってなかった・・・なんてことが起こります。見つかってみれば、「ああ!そういえば!!」なんて自分を納得させるのですが、やはり納得できないこともあるのです。例えば3回も探した場所から4回目には見つかったり、必ずトイレに行って戻ってくると、予定通りの場所に収まっていたり、などなど疑わしい事象があるのです。

 「きっとイタズラ者が居るに違いない」と考えまして、トラップを掛けたりするのですが、逆にフェイントを喰わされて大失敗ということもあります。そんな話を真顔でしておりますと、K書店の店長が曰く、それは小人さんの仕業だというのです。なるほど小人さんはイタズラ好きです(オイオイ!!)。お仕事中に意識を失っていましても(眼は開いていて起きているのですよ・・・)、勝手に企画書や起案文が出来上がったりするのです(計算を間違えてあったり、誤字脱字があったり、してくれるのでやり直しはしますがね)。酔っぱらったときは自宅まで送り届けて、布団を掛けてくれたりも・・・って「おい。そんな訳ないだろう!!」と考え込む次第であります。

 小学生の頃、絶対に家に忘れてきたノートやコンパスや給食代が、ランドセルを引っかき回すウチに出て来るという珍現象がありました。何度試しても出てくるので、非常に頼もしい味方だったのですが、意図的に忘れてきたものは出てきませんでした。うっかり者は助けても確信犯は助けてくれない誰かが居たのですね、きっと。その誰かが出なくなったのは中学生になってからです。その存在を半分信じなくなってからですね。でも苦しいときの神頼みで、無心にお願いをすれば助けてくれるのでした・・・。ときには暗記した記憶もない社会科の答え、数学の公式などを教えてくれたりもしました。彼は英語は苦手だったようです・・・

 小人さんがきっと彼の正体(?)なのでしょう。昔の労働奉仕の代償に遊んでいるのかも知れません。それとも彼は存在価値をアピールしているのかな? 先日、酔っぱらって飲み屋を出たら、誰かに声を掛けられた気がして振り向きまして、その拍子に背中の後ろを全速力でライトバンが駆け抜けて行きました。ライトバンが減速した様子はなかったので、気のせいで済ましていたら車に轢かれていたかも知れません。彼がすっかり遊び好きになったのは、私の遊び好きを反映しているのでしょうか。でも命の恩人でもあり、彼を疎かにすることはできなくなりました。
 とりあえず、ボクのガーディアンとして、スーツのポケットに詰め込んでいこうと真剣に考えるのでありました・・・。

98.03.04
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