前ページへ  メニューへ  次ページへ
5.家系図を考察する

 家系図が特定できたなら真贋判定が必要です。真贋判定の基本は数多くの家系図を集めることです。真贋の見分け方は後日議論することにしましょう
 複数の家系図を付き合わせ、他の古文書との対応関係を明確にすることで年代を類推しましょう。これにより自分の先祖であるかの可能性が明確になります。また、古文書の記載と家系図の記載が矛盾する場合は、古文書に重点をおいた方が良いでしょう。家系図は後世に纏められることが少なくないため、信用性は古文書に劣ります

 楠正成周辺での深澤姓は限られた家系図にしか見あたりません。当時としては当然ですが、兄弟の数が多く戦死者も多く出たことから、実在性の判断が難しいこと、政略的に養子・人質の交換が頻繁であったこと、居住地などで安易な改姓が行われたことなどが災いしました。さらに、正成戦死後の楠氏では、正儀ら後継者の問題が絡んで、抹消された一族もあるようです。

 信貴正意以降の家系図が見つかっていないので、真贋の判定はできていません。信貴正意が正成の従弟であるかは難しいところですが、実在人物であること、近しい一族であること、はまず間違いありません