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エセ・ニューヨーカー日誌No.10
2000/08/09 PM

観劇第五号
    ホテルに戻って、小休止。観劇も五本目となると重たいです。昼間に出歩いて、日頃は浴びない直射日光をたっぷり摂取したので・・疲れも倍増です。だんだん時差ボケが肉体的にも感じられるようです。

    というわけで、観劇第五号。ブロードウェイでも異色のアジア系ロングラン作品である「ミス・サイゴン」です。本作は日本でもロングランされたことがありましたが、もう長年演じられていない隠れた名作です。惜しいことに、年内一杯でクローズされます。

    米軍敗北間近の駐ベトナム士官が、友人の好意で紹介されたベトナム少女と結ばれながら、撤退により関係を裂かれてしまう物語。少女は子供を抱いてバンコクへ逃れたものの、士官はすでに再婚していた。一途な愛情を持っていた彼女は、我が子を残して自殺を遂げます。ヘリやホーチミン像など派手な舞台装置が売り物。
BACKSTAGE
    残された時間も、もう僅か。羽藤さんに教えてもらったグッズショップへお出かけしました。キャッツシアターの脇「BACKSTAGE」では、キャッツグッズを中心に多種多様なグッズが溢れています。Tシャツ・トレーナー・マグカップなど一般売りされているものもあれば、キャンディー・オルゴール・文具など珍しいものもあります。

    店内は初め空いていましたが・・キャッツのマチネ公演が終わると、多数の観客で溢れました。人混みに揉まれながらも物色を続け、楽譜だのCDだのビデオだのを買いあさりました。物色中に客も減り始め、結局元のガラガラに。ビデオの充実度は高く、「オペラ座の怪人」「コーラスライン」「キャッツ」などを買ってしまいました。残念ながら「ミス・サイゴン」はメイキング版。

    合計してみると270ドルのお買い物。クレジットカードでの決済を頼みましたら、「CATが壊れているので姉妹店へ行ってくれ」と言われました。言われるままに50mほどブロードウェイを下ったお店で決済。しかし、何となくスキミングされたようで不安が残りました。変な売り上げが計上されないように、伝票はしっかりチェックしなくちゃ。
観劇第六号
    いよいよ最後です。昼間からブロードウェイの劇場を一つずつフィルムに収めてきましたが、RENTなど数作品の劇場が撮れていませんでした。やや薄暗くなったのを心配しながらも、何劇場かを撮影(これらは光量不足で、明瞭に映ってませんでした)。そして「レ・ミゼラブル」のインペリアル劇場。日本では、毎秋に帝国劇場で定点公演される人気作ですが、タレント起用が多く質の悪さも指摘されています。

    本作は、一片のパンを盗んだ罪で長年牢獄に繋がれた、ジャンの話。ようやく仮釈放を得たところから始まり、素性を隠して市長になったり、他人の娘を引き取って育てたり、パリの革命運動に加勢して若者を救ったり、宿敵ジャベールと対決したり・・・と多彩なエピソードで綴られます。結論から言えば、段違いにキャストの質が高く、出来映えも素晴らしいです。3時間以上もありますが、大満足で観劇スケジュールを終えました。

    ホテルの机に向かって、シコシコと観劇の要点をノートに転記。レ・ミゼの興奮も足を引っ張り・・なかなか寝付けないNY最後の夜でした。
     
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