前回へ  ホームへ  次回へ
前略 中内様(No.25)
社員証をOMCカードにしてみませんか

 御社では社員身分証を発行されていますか?

 御社を紹介した書籍には「社員証はコストが掛かるから発行していない」というコメントがありましたが、この情報化時代にそんなことは無いと信じます。上場企業の場合は社員証が対外的にも身分証明書となります。御社の社員証が対外的に通用することは、社員の高いステータスを保証することになります。したがって、社員の士気向上に役立つことは間違いなく、御社の企業グレードを向上させることは間違いありません。
 対外的に信用力を有する身分証明書であるための条件は、偽造が困難なカードであることです。住所、氏名などの情報が活字印刷されておりデータの改竄ができないこと、本人が識別できる写真が貼付されて割り印等が付されていること、カード用紙に透かしや多色印刷を施して安易な模倣を防止していること、企業代表者名と代表者印が押印(印刷でも可)されていること、などが偽造困難なカードを作る点でのポイントになります。

 学生証を銀行のキャッシュカードと兼用したり、社員身分証をクレジットカードと兼用することが流行しています。カードの磁気情報を利用して入室許可用のIDカードとして利用したり、社食や生協での決済カードに利用することも珍しくありません。ICカードを利用して個人情報管理に利用していることもあります。身分証をクレジットカードと兼用することは、カードの偽造を防止し、カードの信用度を高める上でも意味があります。
 御社にはダイエーOMCがありますから、そのクレジット機能を組み込んだ社員証を発行されてはいかがでしょう。OMCブランドのマーク、VISA等のホログラムは周知のものですから、偽造されることはまずありません。

 グループ全社員にカードを配布した場合のコストは膨大なものです。しかし、カード会員が数万人単位で増加すると考えるのはどうでしょうか。家族カードも合わせて発行すれば、社員の生活消費の大半を再回収することが可能となりますから、売上げ増大、利益増大になることは確実です。また社員とその家族が御社系列の店舗を利用することにより、彼らが自店舗やグループ企業店舗に対して興味を持つことは間違いなく、改善提案等の増加が期待されます。
 カード発行における最大の問題は与信です。御社の社員で在れば積極的な与信は不要でしょう。ただし、キャッシング機能は原則として付加しない方が宜しいかと思います。社員の健全な消費を助けるためには、金を貸さない親心も必要かと思います。

 本年から「ICチップ付きOMCカード」の試行が始まっていますが、現段階ではシステム上の欠陥が発見される可能性がありますので、全社員にICカードを配布することはリスクが大きいと言えます。とりあえずクレジットカード化、を終えてから、順次ICカード化を推進しましょう。
 社員証のクレジットカード化には既に取り組んでおられるかも知れませんが、まだマスコミ発表はなかったように思います。本件のような情報は、御社が情報化戦略を推進していることの証左となるので、市場では好感される材料となるでしょう。必ずマスコミ発表を行ってください。

 是非とも社員証のOMCカード化を、ご検討をください。

#Nに神戸市内で大々的に試験導入された、「ICチップ付きOMCカード」です。募集時期には神戸にいたので作ってみようかと思ったら、神戸在住者か神戸在勤者のみが対象とのことで参加させて貰えませんでした。1月後半の中間報告によれば利用状況はまずまずということですが、加盟店が少ないこともあって実効性は不透明です。システム上のトラブルは聞こえてこないから、まあ成功ということなのでしょうか。
 心配があるのはダイエーOMCの体力です。本業は順調だという説明ですが、ダイエー本体の売上げが低迷している以上は、あまり楽観できません。およそ流通系のクレジット会社は好調な会社(クレディセゾン、イオンクレジット、マイカルカード)が多いのですが、OMCは業績が低迷しています。クリティカルヒットでも繰り出さねばグループのお荷物にも成りかねません。

ダイエーグループ社員の方からご連絡を頂きました。現在、OMCカードは全社員・パートタイマーに配布され、タイムカード・レジの責任者番号入力・従業員購入などに活用されているとのことです。[2000/05/13]

前回へ  ホームへ  次回へ