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前略 中内様(No.19)
値札とフェイス取りの関係

 セブンイレブンの商品には一つ一つ値札が張ってあるということをご存知ですか。手間の掛かる作業ですが、お客様には値段が一目瞭然で分かるため助かります。逆に什器には値札が原則貼ってありませんから、商品の値段を見間違うこともありません。コスト削減に厳格なコンビニが、何故手間を掛けて値札を付けるのでしょうか。
 その理由は機動性のあるフェイス取りと関係があるそうです。朝、昼、夕方、深夜ではそれぞれ客層が異なります。当然に売れる商品も違いますから、時間帯により、弁当やおにぎりの配置、フェイス取りを変更する必要があります。雑貨についても同様のことが言えます。また死に筋商品や死角商品を実験的に動かす必要もあります。セブンイレブンのある店では、フェイス取りの研究に積極的ですし、値札の位置に変化を付けて日付管理の工夫をしています。什器に値札を付ける場合では、商品配置が固定化しやすいこと、値札を付け間違えて販売や発注に混乱を生じること、などの問題が生じます。

 商品発注には携帯端末EOS等が使われていますね。ローソンでは値札のバーコードをスキャンしながら発注量を入力しています。一見良いシステムのようですが、発注量を担当者の直感と経験に頼ることがないでしょうか。日頃の慣れからフェイス取りに変化を付ける努力が薄れていないでしょうか。商品棚を逐一チェックすることは必要ですが、発注はPOSデータに基づいて決める方が良くないでしょうか。一度ご検討下さい。
 発注作業は定期的に決められた時間内で行う必要があります。このためレジが混んでいる場合や、来店客が多くて通路が通りにくい場合でも、通路を占領して発注作業をしている店員を見掛けます。発注作業はバックヤードで行う工夫をすること、商品棚のチェックは丹念な清掃を兼ねて行い、発注作業と重ねないことが必要ではないでしょうか。

 コンビニのクリンリネスといえば、床が磨き上げられていることが特徴的ですが、レジやバックヤードの内側が汚い店を多く見掛けます。レジエリアの床や電子レンジの周囲、スイングドアの内側、店内に無造作に積み上げられるラック、書類・紙束が積まれて仕えないレジなど、見苦しく思うことがあります。総合的なクリンリネスに取り組んで、一層のサービスアップを図るよう努力してください。

 コンビニの日販は、セブンイレブンの平均60万円台に対して、ローソンは40万円台(大手チェーンの中では最低)です。これにはローソンは直営店の比率が高いこと(直営店は儲ける意欲が低い)、酒販類を置ける店が少ないこと(免許制なので新規取得は困難)が理由だとされています。
 しかしそれ以上にバイザーの販売指導能力などにも問題が指摘されています。バイザーが適切な指導を行い、それにより売上げを増加させて見せなければ、加盟店のオーナーはバイザーや本部の指導に従わなくなります。その結果、チェーンとしての足並みが乱れてお客様に見限られます。最近のローソンはCMによるイメージアップ効果で売上げ増になっているようですが、今後の伸びは、クリンリネスや値札など細かい指導ができるバイザーの育成に期待するしかないのではないでしょうか。

補足セブンイレブンでは床の光反射率を測定することが店舗評価の一項目に加えられています。

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