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前略 中内様(No.06)
平常売れる商品、回転の悪い商品
は定価販売を         

 定価販売が基本のコンビニで商品が売れるのはなぜでしょうか。スーパーや商店が開いている日中でもコンビニ利用客は多いですね。割安さでなく、便利さを優先させるお客が増えているからではないでしょうか。
 神戸にあるスーパーの多くは100円前後の商品でも5円〜10円の値引きがあります。死筋商品と思われる商品も値引きがしてあります。普段に多くは買わない調味料や、子供スナック菓子は定価で販売できませんか。調味料はスーパーの品揃えが最大です。数円の出費を惜しんで複数の商店を回るお客様は少ないと思います。またそういうお客様は衝動買いはしないものですね。子供のお菓子はその場で買い与えるのが目的ですから定価でも売れると思います。その代わり特定の商品は目玉商品にして目立つレイアウトにしてみませんか。

 今のセービング商品は他の商品よりも安いことが一目で分かります。しかしレイアウトでの工夫は少なく、他商品との差別化は十分でないように見受けられます。大きなPOPを付けることや、飾り棚を設けることなどを工夫してみるのはどうでしょうか。またセービング商品はまとめ買いをされる可能性は低く、回転が悪くなりませんか。
 Aエリアの先月の目玉商品を、当月はBエリアで、翌月はCエリアで目玉商品に指定することは無理でしょうか。一定数のロットで仕入れても複数店でデッドストックになりませんし、売れ行き次第で追加の仕入れが可能です。またプレートやPOPの使い回しもできますので、便利ではないかと思います。もちろん店舗間でストック商品の交換を実現することが条件ですが、今でも流通センター等を通して実現されているはずですね。

 イトーヨーカ堂が綾瀬駅前にあります。ここでは菓子パンの一部が定価で販売されています。スナック菓子にも定価販売の商品があります。しかし一見しては分かりません。値引き商品が上手に自己主張しているために全体として安い印象を受けますが、あまり自己主張をしていない商品は定価であるのを見受けます。御社でも全商品が少しずつ安い必要はないのではありませんか。特定の売れ筋商品はより安く、死に筋商品は定価で販売されてもよいかと思います。

 「今週の目玉商品」というものをチェーン各店で巡回販売するという手法は、北関東の衣類スーパーが成功した手法です。同一商品を長期に渡って陳列しても売場が変わり映えしないことから、考えられた手法だと聞いています。毎週目先が変わることから来店者が増え、見切り処分品が少なくなったそうです。毎週パッケージして他店に配送するのは大変な作業ですが、配送の途中で死に筋商品がはっきりしてくることもポイントです。特定店舗の特定担当者の独断で仕入れることを難しくすることで、ある程度の売れ筋商品への絞り込みが可能です。機会損失には注意が必要です。

総 括
 イトーヨーカ堂も成長神話が崩れているようです。それでも財務体質で比較すれば、抜群の優位性があります。ダイエーの敗因は半端な安売り姿勢では無かったでしょうか? 改装資金の不足なども手伝って、店舗環境の悪化が進んだことや、チープな品揃えへの批判も多いところです。まずは店舗の魅力を回復することが、新経営陣に求められる当面の課題であると思います。商品にメリハリを付けること、単品管理による死に筋商品の整理など、やるべきことは沢山あるようです。

01.01.28
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