毒物混入カレー事件が未だに解決していませんが、この事件発生の直後に、和歌山市の助役と市職員と市議会議員、合わせて25名様ご一行が視察旅行に出たのは覚えてらっしゃるでしょうか。たしか北海道への視察であったと記憶しています。市民感情を考慮して中止を促された彼等は、既に行くと約束してしまったので、などとコメントしていました。この緊急時ですから、現地視察を優先するのが筋ですのに、スケジュールを早く切り上げるでも、人数を削減するでもなく出掛けてしまいました。ところが、この視察旅行で青森の「ねぶた祭り」を見物していた事実も発覚して市民団体から旅費返還を請求されているそうです。そこでポン太が彼等の意見を代弁しましょう。「我々が暗い表情で現地視察をしても地元の気分を沈ませるだけで申し訳ないです。いっそ視察に出掛けて落ち込んだ表情をアピールした方が効果的だと思ったのです。そもそも私たちが被害現場でねぶた祭りを夢見て浮ついているよりも、青森でカレー事件を憂えて落ち込んでいる方がマシでしょう。」(なんて勝手な創作ですよん)。
防衛庁が1993年から行った調査で装備品メーカー4社がコストを水増ししたとして、国庫に21億円返還させた事件を覚えてらっしゃいますか。どうみても談合と政官癒着があった事件ですが、水増し額を算定する際に防衛庁幹部が手心を加えた挙げ句に顧問などに収まったそうです。国税を盗ませた代償に自らが天下り・・・何を考えているのでしょう。しかも金額が半端ではありません。メーカーの一つである東洋通信機は、副本部長の手心で24億円の水増しから8.7億円の水増しに減額されました。その減額のバーター取引として、防衛庁OBの複数人受入と、当該副本部長とのコンサルタント契約を結ぶ条件を要求したという報道です。本来なら水増ししたメーカーは入札対象から外すべきなのですが、1997年も引き続き50億円程度の仕事を回しているそうです。いくらメーカーが限定されるとしても、全く常識が通じません。
昨年破綻した徳陽シティ銀行で、回収の見込みがない貸付先に5年間も違法な貸付を続けた上に、有価証券報告書に虚偽の記載を続けて違法な配当を継続した、として株主が同行の元取締役を含む幹部19人を訴えたそうです。金額はまだオープンでありませんが、億単位の金額であるのは間違いありません。破綻する先はどこでも虚偽の手法を駆使していたのですね。できれば株主さんには頑張っていただいて、少しでも奪い取って頂きたいと思います。
最後に究極の非常識をご紹介します。1997年1月に福井県沿岸部でロシア船籍のタンカーが座礁して重油が流出した事故を覚えてらっしゃいますね。この際、多額の義援金が寄せられましたが、その敦賀市農協で義援金のうち40万円を誤魔化して、幹部職員の懇親会費に充てていたそうです。農協の参事の指示で重油回収用の資材購入費に60万円を計上しながら、実際には20万円しか使わず架空の伝票を作成していたそうです。しかも浮かせた40万円は幹部わずか20名で費消されました。義援金総額は2,800万円で農協への配分金は240万円だったそうです。余らせたくなかったということかも知れませんが、組合長以下が事実を認めて退任するそうです。内部調査で発覚したとのことですが、まだまだ余罪が出るかも知れません。義援金よりも組合予算の流用の方が良心が痛まないはずですから。
しかし神戸市も震災義援金の使途内訳を公開していませんが、残額はどうなったのでしょうか。40万円の十万倍以上残っているはずだけに、非常に心配です。とりあえず査察を受け入れて欲しいところですが・・・まず調査できないのでしょうね。
98.09.01
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