ミュージカル作品紹介(第286回) |
愛と革命と裏切りと |
■劇 団 ザ・ライフ・カムパニイ ■鑑 賞 日 平成14年5月25日(土) ソワレ ■劇 場 名 六行会ホール(新馬場) ■料 金 全席指定�,000円(前売料金) ■脚本・作詞・演出・音楽構成 蕪木 陽青生 ■音 楽 福嶋 頼秀 ■振 付 樋口 真衣 ■衣 裳 三輪 利江 ■照 明 市ヶ谷 昌典 ■音 響 神谷 憲治 ■舞台監督 大草 稔 |
キ ャ ス ト |
宋慶齢 (たにむら玲子) 宋美齢 (みやした陽子) 宋露齢 (北井 志子) 孫文 (樽本 学) 蒋介石 (きくちやすゆき) 倪佳珍 (広川 法子) 宋躍如 (原川 良一) 陳烱明 (白州 本樹) 伊順恵 (高杉 裕子) 林秀華 (岸川志津子) 寥仲凱 (宮下 恵一) ほか |
ス ト ー リ ー |
清朝末期の中国。欧米の自由主義を学んだ孫文は、清朝を打倒し民主政治を実現することを誓う。財閥をなす宋躍如は、金銭と娘たちを提供し、援助を惜しまなかった。数十回の武装蜂起に失敗したが、孫文は辛亥革命を成功させた。そして、躍如の二女慶齢は、父の反対を押し切って孫文と結婚した。 革命は成功したものの、軍閥の台頭、陳烱明の反乱、共産軍との対立など問題は深まる。その最中に孫文は病死した。権力は、部下の蒋介石に移り、革命の意志は歪められていく。孫文の意志を残そうと頑張る慶齢。姉露齢は一族の財閥力を残そうと奔走し、末妹美齢を介石と結婚させてしまう。大義名分を得た介石は、ますます独裁化を強めていく。しかし、共産軍や日本軍との対立を余儀なくされ・・。 |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ☆ | 宋家の三姉妹を軸に据えた展開は面白く、日本では馴染みのない宋慶齢という人物を巧くクローズアップしています。政治的に泥臭いところを抑え、シンプルに場面展開が進められていました。 |
キャスト | ◎ | 客演が増えたようです。メンバーの入れ替わりもあって、少し力不足なキャストが目立つようになっています。 |
ナンバー | ◎ | 数は多いものの、ソロナンバーはインパクトの弱いモノが多いです。コーラスも従来作品に比べると弱さが目立ちました。 |
ステージ | ◎ | 目立つ大道具はなく、小道具の組み合わせでシーンが作られていました。転換が早いメリットがありますが、ちょっと寂しい感じがします。衣裳は、上質に見えるチャイナドレスがよく映えていました。 |
演 技 力 | ◎ | 樽本の孫文、きくちの蒋介石、いずれも政治の中枢にある重みが足りません。従来の中国作品では重みが感じられただけに、残念です。 たにむらは若い秘書官時代に無理を感じます。シナリオの運び上必要なのでしょうが、工夫が必要でしょう。他劇団の作品で独特の存在感を見せていた高杉は、ごく普通のアンサンブルでした。パートナーの岸川と比較しても淡泊であったのが惜しまれます。 |
歌 唱 力 | ○ | ソロナンバーの迫力を欠いたのは、ナンバーの出来もあるでしょうが、シンガーにも責任があるようでした。 |
ダ ン ス | ○ | ダンスも、従来作品のダンスナンバーと比べると迫力を欠きました。モーションの不揃いはともかく、勢いのあるダンスを復活させて欲しいです。 |
総合評価 | ◎ | これまで安定した持ち味を発揮してきた中国物のシリーズ作品と比べると、やや物足りない作品でした。シナリオは佳く、クローズアップの当て方も独特ですが、キャストのパワーアップを望みます。次回作品での復活を期待します。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
ザ・ライフ・カムパニイ 事務所/横浜市港北区日吉1−25−8 Tel:0 |
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