ミュージカル作品紹介(第275回) |
チャーリー・ガール |
■劇 団 東宝ミュージカル ■鑑 賞 日 平成14年4月29日(月) マチネ ■劇 場 名 帝国劇場(二重橋前) ■料 金 全席指定 S席11,190円(JCB貸切料金) ■原 作 ミュージカル「CHARLIE GIRL」 原 案:Ross Taylor(ロス・テイラー) 作曲・作詞:John Taylor(ジョン・テイラー) :David Heneker(ディヴィット・ヘネカー) 脚 本:Hugh and Margaret Williams (ヒュー&マーガレット・ウィリアムズ) :Ray Cooney(レイ・クーニー) ■翻 訳 丹野 郁弓 ■訳 詞 高橋 亜子 ■演 出 山田 和也 ■音楽監督 甲斐 正人 ■歌唱指導 楊 淑美 ■振 付 麻咲 梨乃 ■装 置 大田 創 ■照 明 高見 和義 ■衣 裳 宇野 善子 ■音 響 大坪 正仁 ■製 作 古川 潔 |
キ ャ ス ト |
チャーリー (愛華 みれ) ジョー (錦織 一清) コナー夫人 (森 公美子) ジャック (鈴木 綜馬) ウェインライト(太川 陽介) ハドウェル夫人(初風 諄) ペネロープ (春風ひとみ) フィオーネ (植田 チコ) ワシントン (桑原 辰旺) ほか多数 |
ス ト ー リ ー |
爵位と邸宅の維持費にさえ汲々とするハドウェル伯爵夫人。大富豪と結婚した昔なじみでコナー夫人を招き、彼女の息子ジャックと自分の三人娘の結婚を約する。末娘のシャーロート(通称チャーリー)はメカニックに興味を持ち、服装も言葉遣いも男の子。 そんなチャーリーが、ジャックに一目惚れをする。彼女に密かな愛情を抱く邸宅管理人ジョーは、告白できないままに懊悩の日々。彼女のために美しいパーティードレスを調達するお人好しでもある。サッカーくじで36万ポンドの高額賞金を手に入れた幸せ者であったが、彼女のために賞金辞退を・・。 |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ | 軽いタッチで分かりやすいシナリオです。原作に手を入れたらしく、会話は滑らかな日本語になっています。チャーリーのキャラクター変化と、エンディングの慌ただしい結論は厳しいですが、東宝のラブ・コメディとしては久しぶりのヒットではないでしょうか。 |
キャスト | ☆ | メインとサブに宝塚出身者が三人という珍しいキャスティングです。アンサンブルの個性付けの無さが気になりますが、全体の演技力がしっかりしています。 |
ナンバー | ◎ | テーマ曲「チャーリー・ガール」はフィナーレのリプライズが秀逸でした。「フィッシュ・アンド・チップス」はアンサンブルを交えた愉しいコーラス曲です。 「ベルが鳴るのよ、きっと」はメロディが良いものの、配置の問題か、冴えませんでした。 |
ステージ | ☆ | 廻り舞台を使った三階層の館でした。博物館と居間の装置は階段を立体的に配置して広い空間を演出しており、面白いです。甲冑やベッドカバーなどは豪邸らしさをよく出してあり、セット全体も高級感を表現してありました。 ドレス衣裳は派手ながらも安物風。庭園パーティで下着姿を披露する余興がありましたが、今風の物もあり、一工夫が必要ではないでしょうか。 |
演 技 力 | ☆ | 錦織はコメディ俳優として地位を確立したようです。独特の間合い、台詞回しが楽しめます。愛華は造りすぎたキャラクターが厳しい様子でした。堂々とした舞台芝居が良いだけに惜しいです。初風・春風・太川のバランスよさ、森の際立った個性なども楽しめました。 鈴木は、四季時代には見せなかった道化役を演じ、錦織とは違う間合いの可笑し味があります。 |
歌 唱 力 | ○ | 初風と森のデュオが印象に残りました。愛華は、声量があり通りのいい声ですが、女声としては物足りません。コーラスはともかく、ソロでは冴えないナンバーが散見されました。 |
ダ ン ス | ◎ | パーティーダンスには意表を突くものもありましたが、全体に地味な印象です。「フィッシュ・アンド・チップス」は明るく良いですが、インパクトは少し弱いでしょう。 |
総合評価 | ◎ | ロンドンミュージカルであるそうです。主題は面白いですが、全体で眺めるとインパクトの弱さがあります。歌唱とダンスの弱さ、錦織・鈴木と愛華の噛み合わせの悪さが気になります。 初演ということで色々と課題はあるでしょうが、今後の調整で滑らかに繋がっていけば、定番作品への道もあると思います。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
東宝ミュージカル | ||