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ミュージカル作品紹介(第242回)
リトル・ショップ・オブ・ホラーズ
■鑑 賞 日 平成13年8月10日(金) ソワレ
■劇 場 名 アートスフィア(天王洲アイル)
■料  金 全席指定 S席8,400円(前売料金)

■原  案 映画「LITTLE SHOP OF HORRORS」(Roger Corman監督)
■原  作 ミュージカル「LITTLE SHOP OF HORRORS
 脚本・作詞:Howard Ashman(ハワード・アシュマン)
 作  曲:Alan Menken(アラン・メンケン)
■翻  訳 ブラント・ライター,中馬 あかね
■脚本・訳詞 松本 隆      ■演出・振付 上島 雪夫
■音楽監督 杉山 正明      ■衣  裳 宇野 善子
■音  響 増沢 努       ■照  明 勝柴 次郎
■美  術 石井 強司      ■歌唱指導 松井 トモコ
■舞台監督 粟飯原 和弘     ■ヘアメイク 近藤 ゆみえ
■パペット 渡辺工房       ■制  作 片岡 達彦,石渡 洋子
キ ャ ス ト
シーモア   (貴水 博之)   オードリー  (久宝留理子)
オリン    (岡 幸二郎)   ムシュニック (Bro.TOM)
クリスタル  (中村 音子)   ロネット   (麻生かほ里)
シフォン   (紀元 由侑)   オードリーII (野崎 数馬)
オードリーII声(市村ヒロシ)                 
ス ト ー リ ー
 ムシュニックの経営する花店は、閑古鳥が鳴いている。しかし、従業員シーモアが育てている変な植物オードリーIIのお陰で、店は有名になり大繁盛。食虫花の一種らしいが、その不気味さに反してマスコミの寵児に。しかし、人血や人肉を好む妖怪であった。同じ従業員オードリーに片想いのシーモアは、彼女を虐待する歯科医オリンをオードリーIIの餌に与えてしまう。
 シーモアを有名人として追いかけ回すマスコミたち。世間の人気とは裏腹に、自らの罪業に悩むのだった。ようやくオードリーに思いを打ち明けた日、秘密を知ったムシュニックを餌にさせてしまう。巨大化し花店一杯にまで成長する妖怪を、ついに殺そうと決心したのだが・・
コ メ ン ト
シナリオ B級ホラーと銘打つだけのことはあり、コミカルな不気味さが漂っています。100分あまりに濃縮された怪奇ストーリーですが、最後まで期待を裏切らないところが良いです。サバサバした主人公の言動も、見所です。
翻訳物でありながら、違和感なく分かりやすい作品でした。
キャスト 歌って踊れるキャストが集めてあります。一人で何役もこなすため、変化が楽しめます。
ナンバー ナンバーリストがありませんでした。シンガーが良いので、ソロに聞き応えがあります。
ステージ 中央に円筒形の花店があり、背後に窓、前面にシャッターが設けられています。レジスターやショーケースなどが、雰囲気が良く出ています。両脇に煉瓦調をあしらってあり、手がこんだセットに仕上がっています。スライドやライトの組み合わせが巧く、また場面転換も工夫されています。
圧巻は成長を続けるオードリーIIで、パクパク開く口は不気味ながら愛嬌があります。小鉢版のオードリーIIも上出来です。
演 技 力 久宝はミュージカル初出演だそうですが、押し出しもあって堂々としたものです。との掛け合いなども絶妙で、まずまず。は歯科医のほか7役ほど演じ、変わり身の早さも見せました。どんどん二枚目路線を外れているようですが、面白いです。貴水は安定した演技で、表情や立ち回りが映えます。Bro.TOMは、序盤で独白が目立ちましたが、独特のカラーです。声だけの出演の市村は、オードリーIIの動きに合わせて不気味なトークを披露していました。作品の善し悪しを決める要の役でもあります。
歌 唱 力 久宝はシンガーだけに、声量も響きも素晴らしいです。貴水も負けず劣らず、張りのある強い声でした。Bro.TOMは、序盤のみと出番が少なく、残念でした。
ダ ン ス 唱って踊れる三人娘が、フォローしていました。オードリーIIのセットを変更するシーンでの繋ぎを演じており、客を飽きさせません。野崎によるオードリーIIの操作は、自分で見えないだけ難しそうです。しかも操作する時間が長く、ハードワークのようです。
総合評価 ミュージカル作品としては、極めて異色です。オードリーIIの出来がよく、それにキャストが巧く重なっています。ほどほどの不気味さが面白く、ドロドロしすぎない演出も好みです。
唯一の不満は、配席です。発売日早々なのに、劇場の端席しか入手できませんでした。センター中段や二階席に空席が目立ち、とても残念です。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス

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