ミュージカル作品紹介(第222回) | ||
新撰組大変記 〜 夢幻伝説 〜 | ||
■劇 団 天狼プロダクション ■鑑 賞 日 平成13年5月5日(土) ソワレ ■劇 場 名 シアターVアカサカ(赤坂) ■料 金 全席指定�,500円(前売料金) ■脚本・演出・作詞・作曲 中島 梓(栗本 薫) ■振 付 若柳 雅康 ■音 楽 荒川 泰・菅原 浩記 ■美 術 斉藤 浩樹 ■照 明 武藤 聡 ■音 響 岩下 雅夫 ■衣 裳 菊田 光次郎 ■殺 陣 峰 憲吾 ■舞台監督 久保 年末 ■制 作 鈴木 晴子 ■監 修 今岡 清 |
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キ ャ ス ト | ||
芹沢鴨 (石原 慎一) お梅 (花木佐千子) 近藤勇 (峰 憲吾) 土方歳三 (水木 竜司) 山南敬助 (中山 浩) 熊 (大久保圭介) 沖田三兄弟 (佐藤 和久,小川 潤,井上 陽平) 幽霊・官兵ほか (若柳三十郎,若柳 吉央,上沖 俊) |
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ス ト ー リ ー | ||
人斬り集団として名を馳せ、壬生浪と陰で呼ばれる新撰組。その評判や幽霊の噂で、脱走する隊士が続出し、新規入隊者も居ない。脱走が見つかれば切腹など厳しい隊規で縛ろうとする副長土方、それを苦々しく傍観する総長山南、今ひとつ掴み所のない局長近藤。若手隊士の沖田三兄弟は、三様の不安を示すようになる。池田屋事件も勃発、耐えかねた山南は脱退を主張するも、切腹に追い込まれた。 新撰組に対して暗躍している悪霊たち。その親玉は、前局長芹沢だった。新撰組に殺されるなどした亡霊を集め、様々な妨害を加えるのだった。共に殺された愛人お梅は、自分の仇の沖田総一郎(長兄)に愛情を持ち・・。 |
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コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ | 少数精鋭ということなのか、新撰組の隊士を3人で済ましてしまうのは、シナリオの妙です。意図的に崩して、時代考証そっちのけでした。会話はテンポ良く面白いですが、シナリオとしての線は今ひとつでした。150分という長い時間にしては、中身が薄かったのが残念です。どこまでアドリブなのか分かりませんが、脱線しまくりのドタバタ劇でした。 |
キャスト | ☆ | 少数精鋭で、演技派が揃っていました。アンサンブルの三名が多芸で、複数の役をよく捌いていました。 |
ナンバー | ◎ | 「梅一輪」「愛のエチュード」がまずまずでした。賑やかなナンバーは面白かったですが、あまり中身の無いソングだったので、惜しいです。 |
ステージ | ☆ | バックに東寺や大文字山が描かれて、京都らしい風情がありました。左右に横方向と前方向に降りられる階段があり、やや珍しい登退場が見られました。スモークとライトを組み合わせたライトワークが見事です。衣裳は並です。 |
演 技 力 | ☆ | 石原と花木、中山と花木の掛け合いが面白いものの、どこまでシナリオで、どこがアドリブなのか見えませんでした。ざっくりしたシナリオなのだろうと感じましたが、トークショーとしては面白いです。 大久保の個性的なキャラクターが良かったです。峰は、序盤だけ大活躍で、中盤以降は精彩を欠きました。小川は、前作や前々作ほどにアクがなく、作為が目立ちました。佐藤は、体当たりが過ぎる印象でした。若柳の二人は、日舞出身だそうです。独特の和モノ芝居調が浮いて見えて、面白い仕上がりでした。 |
歌 唱 力 | ◎ | 花木の高音は、綺麗です。石原の太い声が渋いですが、詞に中身が無かったので、惜しいです。佐藤はデュオ・ソロともに物足りません。 |
ダ ン ス | ☆ | 若柳の二人は、日本舞踊もどきの披露もありましたが、普通の立ち回りの方が面白かったです。動きが滑らかで、緩急組み合わせたモーションも良いです。日舞ではないという上沖も、頑張っていました。刀を使ってのチャンバラは、個人の技量にバラツキを感じましたが、勢いがありました。 |
総合評価 | ◎ | 個別のシーン、個々の会話は面白いですが、作品全体としての仕上がりは拙いと思います。筋立てをはっきりさせた上で、冗長なシーンは削るべきだと思います。加えて、暴走して見えるトークショーは、一本ぐらいに絞るべきでは無いでしょうか。笑いはチラホラ出るものの、繋がってこない感じがしました。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
天狼プロダクション 事務所/東京都新宿区矢来町109 Tel: |
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