ミュージカル作品紹介（第１８９回）

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■劇　　団　コーラス・シティ ■鑑 賞 日　平成１２年１０月１５日（日）　マチネ ■劇 場 名　江戸川区総合区民ホール・大ホール（船堀） ■料　　金　全席自由�,000円（前売料金） ■作・演出　石村　淳二　　　　　■作　　曲　金井　信 ■振　　付　原　津加沙　　　　　■殺　　陣　谷代　美保子 ■歌唱指導　藤本　洋，ＡＫＥＭＩ■衣　　裳　藤井　百合子 ■装　　置　前野　秀雄　　　　　■手話指導　野川　希代子 ■音　　響　長澤　康夫　　　　　■照　　明　高野　勝征 ■舞台監督　ステージ・ハットリ・ザウルス

キ　ャ　ス　ト

桃太郎　　　　（日置　信宏）　　　けい子　　　　（橋本　直子） 地獄の使者　　（菊池　明美）　　　春田　　　　　（石村　麻子） 閻魔大王　　　（早川　博康）　　　亀山　　　　　（羽尾　　稔） 折原　　　　　（丸山　晴美）　　　蛤　　　　　　（征矢　朋子） マルクス　　　（本多謙太郎）　　　キリスト　　　（竹中　達二） 赤オニ　　　　（鈴木　千夏）　　　斑点オニ　　　（重松小百合） 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ほか多数

ス ト ー リ ー

会社ではリストラ課長と呼ばれる桃太郎は、過労死の一歩手前で倒れた。元生保レディーを名乗る地獄の使者に乗せられて、地獄まで連れて来られてしまった。そこには企業形態の「地獄庁」があり、閻魔大王が待っていた。いまや地獄で出世を遂げた、桃太郎の元部下春田の陰謀であることは分かったが、打つ手が無い。 　共に地獄に運ばれた亡者達と組んで一路逃げ出したのだが、マルクスやキリストも登場して収拾が着かない。閻魔大王は部下のオニ達を総動員して、一網打尽を狙っているようだが、果たして・・・。

コ　メ　ン　ト
シナリオ	○	劇団初のコメディという派手な売り文句にしては、寒い古典ギャグが目立ちました。それでなくとも多すぎるキャストにモノローグを入れさせてしまい、全体として纏まりがありませんでした。ラスト20分ほどの仕上げだけは上々でした。
キャスト	◎	今年研究生から昇格したばかりの新人達が一挙参入していました。主役以下、目立つ配役を受け持ち、かなり実力を発揮していました。 このためにステージに上がるキャストが多すぎました。全員にモノローグをさせる涙ぐましい努力はありましたが、個性付けがかなり問題。
ナンバー	○	いささか手慣れた感のある金井氏の作曲。ラストも含めて、これまでのメドレーに並ぶような名曲は出ませんでした。「愛を　少しの優しさを」は面白いものでしたが、単発止まりでした。
ステージ	☆	セットは安手であるものの、ペイントが上手く、針山地獄や岩壁などいい雰囲気を出していました。この劇団の女性衣裳は、どこか古典的です。女優達のプロポーションとの絡みもあるのか、少しケバイ感じが漂っています。閻魔やキリストなど男優の衣裳は良かったのですが・・。
演 技 力	☆	新人日置の体当たり的な演技は良かったです。粗暴さの中に内面的な弱さもちらつかせ、主人公が成長する味のあるモノでした。刀を使った殺陣は、演出指導なのでしょうが、あまりに拙いです。同じく新人羽尾も、悲哀感の漂うリストラオジサンを演じていました。変貌しすぎにやや戸惑いを感じます。さらに新人丸山のあらぬ方向を向く眼が良く、危ない宗教信者の味が出ています。 これまでのベテランは半歩下がった印象で、よく新人を引き立たせていました。本多の豪快な演技が楽しく、マルクスの団結ガンバローは愉しめました。早川の変貌ぶりも、メイクが加わって迫力を感じます。顔と声の迫力は良いですが、太々しさがもう少しあっても良いかも。竹中のキリストもよく似合っていました。女優では、征矢の啖呵、菊池のお惚け、石村の毒々しさが面白かったです。
歌 唱 力	◎	ナンバーの問題もあって、ソロで目立つシーンは少なかったと思います。日置は熱唱していたものの、少し音程を外し気味でした。菊池や橋本もあまり披露するシーンがなく、かなり惜しいです。大人数に膨れたこともあってコーラスは重みを増しましたが、メドレーも無くなったので、勿体ないです。
ダ ン ス	◎	序盤の集団ダンスはまずまずで、オニ達のダンスも普通でしょうか。振付に工夫が見られますが、今回はとくに不揃いが目立つ感じでした。踊れてはいても揃わないのは、振りが難しいからかどうか。重松が比較的極めている感じでした。新人達は、ダンス面で物足りません。
総合評価	◎	これまで中年層の多さが目立ってきた感じでしたが、昨年の研究生が全員参加にしたことが若返り(？)させたようです。彼らを主役他に配置したのは大英断だと思いますが、よくその期待に応えていました。しかし、ステージの広さから考えて30人近いキャストの同時出場は無謀です。ボランティアベースとはいえ、キャストの選別が必要かも知れません。 プリマとして期待してきた加藤は、体形を崩している様子で冴えず、ダンスのメリハリもやや衰えた印象でした。コーラスでの発声も魅了するには及びません。新人に越されないよう頑張って欲しいですが、しっかり体を作るべきでは、と感じました。
チケプレ 読者の　 ご意見		■コメディと銘打ってある割に、笑いは取れていなかった。 ■登場人物のキャラクター作りがステレオタイプで、ちょっと飽きた。 ■丸山の「間」の掴み方が絶妙で、オーバーアクションにならず良い味。 ■日置は同じ顔で表情を感じられなかった。 ■「愛は不思議」で、日置と石村の声質が合っていなかった。 ■ダンスも演技も、上手な人と下手な人に分かれており、纏まりがない。 ■手話が出てくる場面は、何の必要があったのか分からなかった。 ■斉藤の手足のアザが痛々しかった。 ■昔に観たときよりも、若い人が増えて元気になった。 ■ストーリーやネタが、ちょっとベタな感じがした。 ■女の人のコーラスが綺麗だったが、ソロになると苦しい。 ■橋本と菊池の歌が良かった。鈴木のダンスが良かった。 ■本多と菊池が印象に残った。訴えかけるものが強かったように思う。 ■演出としては、閻魔の城（？）がよくできていると感じた。 ■私の知っているアマチュア劇団は、ほんとに小さな劇場で身内のための発表会のようでしたので、コーラス・シティの存在に驚いた。 ■マイクが、キーンとなったり、声を拾いすぎたりして、惜しかった。 ■ミュージカルは突然歌が始まるので、わざとらしくリアリティに欠けると思っていたが、面白かった。
上記コメントはポン太の主観＆独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください 本公演は20枚のチケットをプレゼントしました。
ア　ク　セ　ス
コーラス・シティ 　事務局／東京都渋谷区幡ヶ谷２−４５−１　　Ｔel：