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ミュージカル作品紹介(第129回)
HEAT NIGHT
■劇  団 ミスター・スリム・カンパニー
■鑑 賞 日 平成11年12月2日(木) ソワレ
■劇 場 名 千本桜ホール(学芸大学)
■料  金 全席自由�,000円(前売料金)

■作・演出 深水 龍作     ■音  響 嘉陽 宗一郎
■照  明 三田 弘明,ライトスタッフ
■振  付 高野 千夏     ■スライド写真 新原 裕司
■特殊効果 森本 浩
■音楽協力 鈴木 雄大,天才トノサマBAND,入江 寛
キ ャ ス ト
シェリー   (田中佐恵子)   ビリー    (山本 明子)
社長     (橋本 和人)   シゲル    (面田  成)
片桐     (松井 宗但)   ミノル    (山口 祐子)
アツシ    (八田 篤尚)   リュウジ   (安田 龍二)
大輔     (河村 昌志)   ナオミ    (八島 直美)
                             ほか
ス ト ー リ ー
 昭和30年代。社会の底辺に棲む誰もが、一攫千金を夢見ていた。
 ショーパブを経営する社長は、ヤクザを使った汚い商売で、一財産を築いてきた。自ら麻薬中毒になるマヌケな社長で、今は店の踊り子シェリーに夢中だ。ヤクザ稼業はモノホンの片桐の担当で、大輔を使ってチンピラを動かしている。ある日、そのチンピラ達が取引現場を襲って、大金と麻薬を持ち逃げする事件が発生した・・・。
 1年後、事件がキッカケで社長の経営はガタガタに成っている。とくにシェリーの興業のための営業活動が大変だ。そこへ3人のチンピラが舞い戻り、シェリーと同じ踊り子だったビリーを看板に、派手な商売を手掛け始めた。リーダー格のシゲルは手広く事業を手掛けるが、少しずつチグハグが目立つように成る。いつしか片桐につけ回されるようにも成った。
 すっかり財産を無くした社長。しかし夢は叶って、シェリーを大スター女優として売り出した!
コ メ ン ト
シナリオ 比較的シンプルな流れだったので、気に入りました。ただ先の展開が読めすぎていた感じであり、チンピラ達のプロットが少し物足りないです。
キャスト 今回も熱いキャストでありました。アンサンブルがもう少し活躍してくれるようだと、さらに良いのですが。
ナンバー オリジナルか、ノン・オリジナルか、よく分からないところです。歌でのし上がっていく女優達のために、もっとパンチ力のあるナンバーが欲しかったです。迫力で迫るナンバーが目立ちました。
ステージ 本当にすっきりしたステージでした。ステージ正面に三面のブラインドがあって、キャストの登退場に使っていましたが、これさえも無くて良い印象です。ステージ衣裳は山本が肢体の格好良さを強調するものを連発し、田中もキンキラのステージ衣裳を見せました。しかしスター女優という雰囲気にはかなり遠いです。
スモーク効果が掛かりすぎです。ライトは狭いステージに50基(!)以上も吊り下げてありました。ステージが明るいことや、カクテルライトが綺麗なのは間違いないですが、使いすぎの印象です。
演 技 力 橋本は作品毎に違った顔が見られて面白いです。今回は恰幅の良い親分、でも気弱で可愛いシーンもありました。貫禄的にも欠くことができない存在でしょうか。面田は変わらず虚勢の目立つ演技でしたが、今回はよく沿った役回りで演じていました。松井は演技派です。話しぶりに少し不安を感じますが、渋めのヤクザどころでした。河村はもう少し小悪党ぶりを発揮しても、損がないと思います。
山口が司会見習いとして元気一杯の男役でした。個人的に一番興味の持てる女優さんですが、あの元気さはいつまで続けて呉れるでしょうか。早口のしゃべくりも◎。田中はヒロインで、日本一のスターという設定でしたが、どうもパワー不足でした。演技力はあるのですが、疲れ気味か、自信不足か、迫力を欠く感じだったのが残念です。山本は終盤に力強いトークを見せるシーンがあるものの、田中同様スターらしさには遠い印象です。もう少し存在感がアピールされると、嬉しいです。
歌 唱 力 元気のいいコーラスで押してくる迫力は、今回も☆。しかし声が掠れ気味のキャストが多かったです。本番直前のレッスンも良いとは思いますが、本番に負担に成らないようにして欲しいです。田中山本ももっと良い声が出ていたはずですが・・・。面田は大声でがなり過ぎ。
ダ ン ス 狭いステージで目一杯拡がって見せる、好みの振付です。リズム良く、動きも派手で、前進してくると重い圧迫感があります。集団モノが多い分だけパワーが伝わってきますが、全体としての纏まりは欠いた感じでした。
総合評価 時代背景が分からないので、評価は難しいです。作品の設定としては面白く、私の観た3作とも社会の底辺層の人間にスポットを当てようとする良い作品だと感じます。しかしキャストがその雰囲気を掴み切れているとは、認めにくいです。底辺の荒んだ社会、上辺へ昇ろうとする滾る感情・・・という本物らしさが出れば、まだまだグレードアップするのではないでしょうか。。。と身勝手なコメント。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
ミスター・スリム・カンパニー
 事務局/東京都中野区野方5−10−4−203   Tel:
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