ミュージカル作品紹介(第95回) | ||
時代はサーカスの象にのって | ||
■劇 団 昭和精吾事務所 ■鑑 賞 日 平成11年7月25日(日) ソワレ ■劇 場 名 ジァンジァン(渋谷) ■料 金 全席自由�,800円(当日料金) ■作 寺山 修司 ■構成・演出 昭和 精吾 ■照 明 ジァンジァン ■音楽・音響 高木 尋士 ■振 付 こもだ まり ■演 奏 監獄隊 |
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キ ャ ス ト | ||
【男性出演者】 昭和 精吾,八尾 建樹,石原 秀文,イッキ,田中 秀一, 中西 隆雄,犬神 明,犬神 情次2号,犬神 ジン,萩原 朔美 【女性出演者】 こもだ まり,諏訪 友紀,野口 有紀,犬神 凶子 |
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ス ト ー リ ー | ||
詩を読む男、グラマーな娼婦、西部劇の主人公、反戦運動家、アデノイドの保険外交員、童話を読む少女、生徒4人と英語教師、大学キッド&父親ビル、ホイッスラー、革ジャンパーの男・・・次々に脈絡なく登場する風変わりな人物たち。時には直接的に、時には逆説的に、時には婉曲に、反戦反米を訴え掛けるオムニバス | ||
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ○ | 訴えたいことは理解できますが、あまりにも断片的で、あまりに暴力的でした。初演の1969年当時は時代に合ったものだったと思いますが、現代風にアレンジし直して欲しかったところです。 作品は70分程度だったにも関わらず、ホイッスラーが登場してのフリートークショー、昭和と萩原の対談ショー、昭和の詩の朗読(?)で休憩無しの180分だったのは拷問でした。冗長は省いて欲しいものです。 |
キャスト | ○ | 犬神サーカス団(別にサーカスを観せるのでなく、単なる芸名)のメンバーはバンドメンバーで芝居的には素人という感じでした。残るキャストも全体に若く、やはり素人風のキャストが多かったのが残念です。キャストの性格付けも今ひとつでした。 |
ナンバー | ○ | ナンバーと呼べるのは数曲でした。絶叫するだけであったり、洋楽を断片で唱ったりする程度で、せっかくのバンドが活かされていないナンバーばかりでした。 |
ステージ | ◎ | 中央に正方形の木張りボックス型ステージがありました。出演中のキャストはステージ上で、待機中のキャストはステージを囲んで協力していました。奇抜な演出だと言えます。大道具はありませんが、細々した小道具は入れ替わり立ち替わり使われており、目を楽しませてくれました。 |
演 技 力 | ◎ | 童話を読む少女、元気いっぱいの女学生、不良の男子学生を立て続けに演じ分けてみせた諏訪は、体も顔も上手に作っており、一番の演技派です。八尾は、のっそりした雰囲気ながら剽軽なキャラクターを演じていました。イッキの「革ジャンパーの男」もまずまずでした。 |
歌 唱 力 | ○ | 犬神凶子がまずまずの歌唱でしたが、あとは全くの素人という感じでした。ナンバーが体を為していないことも理由ですが・・・。 |
ダ ン ス | ○ | 振付を担当したこもだのしなやかなダンスは素晴らしいものでした。あとは諏訪ぐらいが目立ったでしょうか。ダンスシーンは多くありませんでした。 犬神明がバンド用スティックを持って、鍋釜、脚立、床、壁を叩いて回るパフォーマンスは結構面白いもので、観客は取り合いしてスティックを持ち帰りました。 |
総合評価 | ○ | 昭和が吼えるシーンが作品中1カ所、終演後の朗読(?)でもう1カ所ありました。これをするためだけの公演であったようです。思想的に共鳴できなかったこと、ミュージカルと称するにはオソマツであったことから、低い評価を付けています。 入場料まで取って見せるような作品では無いように感じます。また作品中象もサーカスも登場しなかったのは「??」です。 蛇足1>「入場料を取ってまで見せるべきでない作品」について、キャストの方よりメールを頂戴しました。「実費の会費を徴収して同好者の会にするのはOKですが、一般にチケ販した上に、劇場チラシに掲載するべきでない作品という意味です。内輪受けを狙うなら内輪ネタで。あるいは趣味的作品と断るべきでしょう。ミュージカルはエンターテイメントです。」という内容でお返事をしました。 蛇足2>お返事を頂戴しました。お客様はやはり寺山氏のファンが中心でありますが、できれば氏のファミリー作品しか知らない人たちに氏の一面を観て貰いたい、という意図があったということです。本作品は名作「ヘアー」に感化を受けて作られた作品であるそうです。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
昭和精吾事務所 事務局/東京都江東区大島6−1−5−1436 Tel: URL/http://www.3web.ne.jp/~nanten/syowa/ |
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