東京にも劇場街を作ろう(3)

 ストレートプレイ系でビジネスとして成功している劇団・・・少ないそうですね。脚本家や演出家でも、他劇団のヘルプや著述で辛うじて頑張っている人が多いそうです。通年で公演打っている劇団は少ないので、副業を持たないと食えないそうです。

ショービジネスと呼べない?

ミュージカルでも、状況は同じです。日本中を駆け回っている劇団であっても、収支トントンが多いそうです。子供ミュージカル系では、お呼びの掛かる回数が激減して廃業する劇団が出ています。ギリギリまで人員と予算を削っても厳しいそうです(新作なんて、論外らしい)。劇団四季でも、宣伝費や人件費が負担で、外目ほどに儲かっていないそうです。東宝でさえも、スポンサー企業の支援や貸切公演によって、黒字を捻出するのに大変だそうです。

最後のレビュー歌劇団」といわれるOSK日本歌劇団が、解散の危機に立っています。親会社の近畿日本鉄道が、長年の補助金のカットを打ち出したことが原因とか。大阪松竹歌劇団(OSK)を引き取ったものの、長引く不況にその負担が耐えられなくなったようです。東京の松竹歌劇団(SKD)はすでに無く、宝塚歌劇団はミュージカル路線に転向しています。OSKは良心的な価格設定が祟って、補助金なしでの運営ができないようです。チケット代を引き上げて自立か、SKDのように有志で活動を残すか・・。

少ない観劇人口の、ムラ社会です。スター人気だけで劇場を一杯にする手法は、すでに限界です。TV放送なども増えていますが、もっと一般客を誘致しなくてはダメですね。アイドル歌手を主演にするなどセコイ作品も増えていますが、作品価値を下げるだけとの批判もあります。日本のミュージカルは、ショービジネスと呼べないでしょうか・・まだ。

スタッフやキャストの流動化を

何度か書いた話ですが、やはりスタッフやキャストが流動化するべきです。どんなに良いアイデアがあっても、それを活かす脚本家・演出家・音楽家・振付家が集まらなくては、ダメですね。付き合いや人数合わせで変なスタッフが入ると、せっかくの作品を腐らせます。また、副業に走り回るスタッフがあると、それだけで作品が不味くなります。もちろんながら、キャストもです。

以前にロングランシステムについて書いたように、どんな良い作品でも予定日数を消化すると閉幕します。超人気でもロングランできないので、装置や衣裳の費用が消却できず、ロングランによる利益が得られません。口コミで新規客を集めることも難しく、リピーターがチケットを入手しにくいという問題もあります。劇場街ができれば、ロングランが打ちやすくなります。次の公演予定作品があっても、別の劇場で公演すれば良いのですから、融通が付けやすいです。

せっかく集めたスタッフやキャストを手放す必要がなく、彼らも副業に励まず専念できます。より優秀なスタッフやキャストを調達して、グレードアップが可能です。また脚本や演出に修正を加えやすく、完成度を高めたり、新しい挑戦がやり易くなります。評論家や高名な先生方の目に止まる機会も増え、良いスポンサーが付くこともあります。流動化することで、埋もれる人材を減らし、切磋琢磨してレベルアップが図れます。オーディションも実のあるものに変わるでしょう。

 ブロードウェイでも、ショービジネスで喰える人は少数派です。しかし能力と運があれば喰える世界でもあります。劇場街を作って、そこに人も金も集まるシステムにすることで、とりあえず喰える人は増えます。観客が増えれば、一層集まりますからね。企業や自治体の補助金も取りやすいですし・・素晴らしいことだと思いますよ。