演劇評論家でなく、演劇コメンテイターを標榜する人が増えているそうです。堅苦しく論じるのでなく、軽く意見を言うのが、当世スタイルなのでしょうか。
言い易い環境
ネット普及以前は、素人である個人が意見を言うのは、アンケートぐらいでした。ネット普及により、個人の意見を情報発信し易くなったことが最大の理由でしょう。有名な演劇系サイトには掲示板がありますし、チャットもできます。閉鎖的だったフォーラムとは違い、素人だけの濃い議論も可能になりました。加えて、匿名性が持てるようになったことも大きいようです。
また趣味で個人サイトを開設し、コラムニスト気取りのコメントを載せることもできます(本サイトも、間もなく開設6年目になります)。かく言うポン太も、ミュージカル・コメンテイターを標榜しています。劇団関係者や玄人観劇ファンの厳しいご意見が多い中、質より量的なコンテンツを載せてきました。
一方で一般読者は、評論家よりもコメンテイターを歓迎する風潮もあるとか。演劇雑誌や公演プログラムで、評論家でなくコメンテイターと自己紹介する人が増えています。当然ながら、小難しい背景説明や専門用語連発は避け、自分の感じたままを自分の言葉で綴っています。一般読者が共感できるのは、正直なコメントであるということでしょう。
劇団のメイワク
海外ではあり得ないそうですが、日本の評論家は、劇団による原稿チェックを許しているそうです。色々と利害関係やしがらみがあるのでしょうが、無断で評論を記事にしない暗黙の了解があるとか。提灯記事を書かせるために、プレビューや本公演への招待、出演者を交えたパーティなどで釣るそうです。変ですよね。
そうしたときに目障りなのが、無断で情報発信するコメンテイターです。個人的なコメントと断っても、やはり嫌な評判は葬りたいようです。闇からヤミへ(笑)。とくに上演中の作品批判は、御法度とか。評論家が中立であれば良いのですが、劇団寄りなのを知られているだけに・・コメンテイターの存在は目障りなようです。
知り合いの劇団関係者からも・・「メイワクしてるんです」と、お話をいただきます。ウチも含めてね。ダメに引っ掛けて、ダメンテイターとか。
独断と偏見であると断りながらも、できるだけ良いポイントを挙げ、悪いと感じたポイントも理由付きで書くように心がけています。まだまだコメンテイターと称すのは厚かましいポン太ですが、気を引き締めて6年目を迎えたいと思います。コラムも大台へ、あと1つ!
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