下北沢のとある劇場を訪れた日のこと。ゲートを潜ったのは・・開演時間とほぼ同時。遅刻かと思いきや、スタッフの暖かい声に迎えられました。
チケットのもぎり
どこの劇場でも、チケットのもぎり役が居ます。チケットの日時確認や入口指示が重要な役割です。開場直後や開演間近は、多数のお客様でごった返し、事務的に成らざるを得ないことも、分かります。チラシの配布役を兼ねるなど面倒があるのも、理解できます。お客の反応が悪くて憮然とすることも、あるでしょう。
しかし、無愛想なもぎりが多いのが、実情です。「いらっしゃいませ〜」が多いにしても、感情が籠もらないのも日常的。「チケットを拝見します」「こちらへお進み下さい」「間もなく開演です」など、悪気がなくとも愛想がありません。一応は商業公演なのですから、お客を歓迎する演技ぐらい欲しいものです。
お待ちしてました!
そこで、本題です。冒頭のスタッフ達は、「お待ちしてました!」と挨拶してくれました。それもゲートのかなり手前で、目が合うと同時でした。実質遅刻の客でありながら、にこやかに出迎えるのは好感が持てます。責めるでもなく、急かすでもない気配りが良いでしょう。この劇団は、その後の客席誘導を含めて、そつない印象でした。偉い人の指示が行き届いているのか、自発的な行動なのか。
脚本家や演出家がロビーにあっても、突っ立っていたり、ふんぞり返っていたり、特定の知り合いと話し込んでいたり、見苦しいことがあります。スタッフの一人としてロビーに出るなら、全ての客に等しく接して欲しいところです。ハレの場として自分も楽しい時間を過ごしたい・・というのも分かりますが、せめてプログラムに写真を載せる方はご注意を。
それでなくとも、威圧的な劇団が多々あります。ロビーに10人以上もスタッフを揃え、何をさせるでもなく立ってるだけ・・ということもあります。劇場への敷居を高くするだけなので、スタッフと分かりにくくするか、それとなくウロウロするか配慮をして欲しいと感じます。
思うに・・劇団関係者にとってのお客様は何者か。知人を除く一般客は、単なる「数合わせ」であるのでしょうか。その「数合わせ」のお陰で公演作品の採算が合うわけですので、形ばかりでも感謝・歓迎の姿勢を表して欲しいものです。
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