ぶっくれす・ぷれい

book-less play:台本(book)を欠く(less)芝居(play)
もともと一般的な用語で無いようですが、ときどき耳にします。使っている人によって意味が違うこともありますので、和製英語かも?

即興劇

即興劇は、オンサイトにしてリアルタイムに演じる芝居です。とくに台本を定めることなく、興に乗って、その場その場の雰囲気に合わせて演じていきます。そこに役者の活き活きとした味わいがあり、思わぬ展開を見出すことができます。ときにはアドリブ劇とも呼ばれますが、恒常的に演じていると実力が付かず、お遊び劇になってしまいます。たまに演じる分には、実力を再確認するのに役立つとか。

即興ではありますが、全くの無題劇と、テーマを定める有題劇とがあります。有題劇の方が難しいこともあると言われますが、それは題の極めの問題で、無題劇の方が難しいという意見もあります。とはいえ、その場で盛り上がれば十分で、商業劇でやる代物ではありません。得てして、即興劇のような本公演もありますが、金を取ってはダメなレベルのものが多いですか。

ぶっくれす・みゅーじかる

こちらは英語文献でも見掛けるので、和製英語で無いと思いますが・・どうなんでしょう。即興劇のミュージカル版かと思っていましたら、微妙に意味が違うようです。ストーリー性を持たないミュージカルのことだそうです。脈絡なくシナリオが展開し、何となく終わってしまう不条理な作品を指すのだとか。

たしかに即興劇も含むようなのですが、中には立派な商業劇もあります。オムニバスもどきの作品がそれです。全体を通してみると、何か思想や概念(コンセプト)が唱われているような作品です。有名な作品では、「キャッツ」があります。最近紹介の作品では、「コンタクト」「キャンディード」もそうです。スパゲッティー方式のミュージカルを揶揄する悪口にも使うそうですが。。。

ブックレスであっても、一本の作品としての完成度は求められます。何となく繋いでみせて、それとなく纏めてしまうのでは、×ですよね。ブックレスであることが自己満足であっては、ダメです。プログラムで解説して分かるというのも、ダメダメです。

ミュージカルは娯楽なのですから、考え込まなくてもコンセプトの伝わるものであるべきです。可能であるならば、ブックレスは芝居に留めていただきたいものです。個人的に「キャッツ」は好きですが、ミュージカルとしてのシナリオ性には不満を感じています。