一見するとEnglishのようですが・・和製英語なのです。直線(line)に並んで踊る(dance)ところから、ライン・ダンスと呼ぶように成ったのだとか。
レビューの華
日本に上陸したショービジネスは、レビューでした。いつかも書きましたが、歌あり芝居ありダンスありの大衆芸能です。発祥はフランスで、イギリスやアメリカでバラエティーとして発展し、日本に上陸しました。娯楽性の高いショー形式のもので、本格的には宝塚少女歌劇が国内最初とされます。
そのレビューで最大の見せ物は、フレンチカンカンとラインダンスです。多数の女性がステージに一列に並び、一斉に足を振り上げる様は壮観であり、世の男性の度肝を抜くものであったとか。目の高さに何度も上がる脚線美を観ようと、多くの観客が劇場通いをしたそうです。ともかく、ラインダンスでレビューは一世を風靡し、各地にレビュー小屋が立ち並んだとのことです。昭和初期のお話。
今でも魅力が・・
レビュー小屋で流行したのは、本場レビューでなく、和製レビュー。無関係な芝居(主にコント)・歌・ダンスを寄せ集め、ごった煮風の演出が大衆に受けたそうです。しかしキネマの普及や戦争の影響で、レビューの短い春は終わりました。とはいえ、戦後の和製ミュージカルは、レビューの流れを色濃く受け継いでいます。
今では多くのダンスが輸入され、ラインダンスにお目に掛かる機会も少ないです。またラインダンスを敬遠する女性ダンサーが、増えているそうです。恥ずかしいことも理由でしょうが、難易度が高いことが本音だとか。毎回まい回、同じ高さまで足を上げ続けるには、ハードな鍛錬が必要です。「目の高さまで連続10回以上、足が上がること」なんて、オーディション条件もあります。
シンプルなだけに、上手下手がすぐに分かります。テクニックだけでなく体力を必要とするラインダンスは、ダンサー泣かせなのかも知れませんね。ブロードウェイでは、フォーメーションを変えながら、変幻自在にラインダンスを踊ってみせるシーンもありますが、プロだけによく揃って綺麗です。和製ミュージカルでも、多く取り入れて欲しいものです。
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