プログラムの相場感

商業公演に出かけて行って、プログラムが高いなぁ、と感じることが多くないでしょうか? 1万円以上のチケット代を徴収するのに、二千円前後のプログラムを販売する公演がありますが、ひじょ〜に不満であります。

たとえば、ホ○プロ

某プロダクションは、毎年ジャパンツアーなどを誘致しています。今年もブロードウェイ作品を公演中ですが、これが非常に高いです。S席が15,000円もしました。NYではORCH席で80ドル(約1万円)ですので、五割は高い計算に成ります。旅費や宿泊費の負担、セットの設営や翻訳(テロップ)などの手間が入るとはいえ、マージンを取りすぎている感があります。何よりも、ブロードウェイではORCHと呼べないような屑席も、S席として売られているのですから。

それは別としても、プログラムがまた高いです。今回は、二千円でした。内容は薄く、PLAYBILL(ブロードウェイで配られる無料誌)に紹介される程度の情報に、対談とカラー写真が入っているだけで、随分とボッタクリます。くだらん対談(とくに評論家同士とか)なら読みたくないし、カラーの必要性も感じません。そもそもブロードウェイで売られるプログラムは、10〜12ドルで内容充実しています。煩い広告もありませんしね。

そういえば、プログラムの広告って、何なんでしょう。何頁もカラー広告が入っている割に、プログラムは安くありません。むしろカラー広告の印刷費も上乗せされている感じがします。せめて中身を充実してくれれば良いのですが、カラーっていうだけでした。東宝のものも、お値段の割に内容は薄いです。

千円前後がリーズナブル

ポン太のようなマニアはともかく、一般のお客様が買うとすれば、千円前後がリーズナブルでは無いでしょうか? 「ご観劇の記念に」と言われても、二千円もするなら記念グッズを買うでしょう(これもマージンが乗ってますけど)。劇場に入ってしまえば、劇評や推薦文を読むだけ無駄ですし、ベタ褒めなのに詰まらない作品だと最悪です。内容相応のプログラムかどうか、チェックが欠かせませんね。

ときどき客席までプログラムを売りに来ることがありますが、これは良いサービスだと思います。お客様によっては、プログラムが売られていることをご存じないことも多いです。そういうものを買うのが邪道というご意見の方もあります(映画とは違うのですけどね)。幕間にキャストが売り歩いたりすれば、結構売れているようです。ファンサービスの代償に、1冊という感じでしょうか。ここでも、お客様の財布事情を考慮すれば、千円前後が妥当では・・?

千円でペイしないようなプログラムは、作り手に問題があります。作品紹介したり、ナンバーリストやキャスト紹介を入れても、ページ数は知れています。これら情報はモノクロでも十分ですし、せいぜい写真カット数頁もあれば満足な内容になります。それ以上の内容を盛り込むから高いわけで、とくに○リプロとかは廃棄分を見込んで値付けをしているようです。需要と供給のバランスをよんで、見合った内容と価格にして欲しいです。諄すぎるプログラムなんて、たぶん自己満足だと思います。

ブロードウェイのようにロングランして、万単位の観客動員数を稼げる作品は少ないので、簡単ではないと思います。劇団四季でさえ高いのですから、短期公演は尚更でしょう。しかし、あまりお客様を甘くみて貰うのも困りものです。プログラムの相場感を意識して欲しいです。

  • 音楽座は、1人1冊ずつ立派なプログラムを呉れます。販売価格は1,500円程度だったと思いますが、かなり良心的です。無駄も少ないですし・・。