作り手 の 意識

某劇団サイトの某所に興味深い掲示板があります。劇団代表自らがCGIで作り込んだ多彩な掲示板で、一時期かなりの勢いがありました。他の劇団関係者なども巻き込んで、意味深な議論が繰り返されていましたが、最近は話題も一巡して停滞気味のようです。

作り手は偉いのか?

このサイトでは、主にストレートプレイ系の劇団関係の参加者が多いようです。一時期は親しくさせていただいた、オフィスプロジェクトMの丸尾氏なども活発な議論をされていました。盛り上がっていた内容は、内輪ネタと、劇評への批判です。

ま、個人の劇評は勝手批評なので、それを批判するのは健全だと思いますが、問題はその中身でしょうか。作り手は偉い、的の外れた論評を書いている連中はバカばかり、と辛辣な台詞が並んでいたりします。う〜む、本音はともかく、恥ずかしく無いのだろうか、というレベルのコメントが多いです。特定サイトに対する激しい攻撃もあるようです。

しかし、作り手は本当に偉いのでしょうか? 今回のテーマであります。確かにキャストを集め、お客を集め、オリジナルな作品を演じてみせるエンターテイナーとしての才能には敬服します。しかし、それ故に偉いのかどうかは議論が必要かも知れませんね。

偉いのは、お客様

結局のところ、偉いのはお客様だと考えています。劇団サイドの人間でも、他人の劇団の作品を観に行けば、やはりお客様として批判や批評をしますよね。それをネット上で公開することの是非はともかくとして、やはりお客様にはその権利があります。同時に、作り手にはそれに干渉する権利は無いはずです。

なぜかといえば、お客様はチケット代を払うと同時に、上演時間とその前後の何時間かを作り手のために使ってくださるからです。「見たい奴だけが見てくれれば良い」と某劇団代表などは言いますが、チケットの売り上げや採算を気にばかりします。結局お客様が集まらないと公演は続けられないわけで、どう能書きを垂れても、来てくださるお客様は偉いのです。

たしかにネット上で劇団や作品についてネガティブなコメントがあれば、来客数に悪影響が出るかも知れません。しかし、新たにお客を呼び込めるほどのコンテンツがあるサイトを立ち上げて、ポジティブなコメントが多く出るようにし向けていけば、ネガティブな意見の影響は極小化できるはずです。もちろん作品の質を高め、相応のチケット代とファンサービスが必須だと思いますが。

ネットでお客様批判は、マイナス

本音はどうであっても、ネット上でお客様批判をすることは、イメージダウンだと思います。その劇団の作品がどんなに素晴らしいものであっても、そのコメントを目にしたお客様の印象は著しく悪いです。お客様は神様です。表向き、お客様の目や耳に触れる場所で、お客様批判をすることは控えるべきでしょう。

ネガティブなコメントを見つけて、そのサイトの掲示板に子供けんかをふっかける劇団関係者も見かけます。ネガティブな意見をアンケートに書いたお客様に、インネンをふっかけるメールを出した劇団代表の話も聞いています。あまりにも恥ずかしいですね。そのコメントの是非はどうあれ、謙虚に受け止めて次回の作品づくりに臨んで欲しいと思います。。。と、勝手な意見を。

良くも悪くもネット時代です。三年前と比べてみれば格段に、劇団関係者もお客様も、ネットに進出してきました。これまでは同好の士が集まって好き放題に意見を吐いてきたムラ時代もありましたが、これからはより多くの人の目に触れることを意識するべきですね。
ウチは相変わらずですが、ようやくミニコミ誌レベルを抜け出せそうなので、もう少し真面目にサイトのコンテンツを作っていきたいと思います。