高い作品、良い作品?

いつも思うことですが、本当にチケットが高い作品が良い作品なのでしょうか? 世間では、チケット代が高いのは、作品がそれなりに良いものだからと思われているようなのですが・・・。高いのにスカもあれば、安いのに当たりもあります。

オン・ブロードウェイにも、外れは多い

例えば、「クレイジー・フォー・ユー」という作品がありました。かつて、エセル=マーマン主演で大ヒットした作品をリメーク再演したものです。ブロードウェイでは再演作品も多いと聞きますが、「クレイジー」は短命に終わっています。マーマンだから当たったわけで、再演では当たらなかったということです。

この「クレイジー」は劇団四季が輸入しましたが、四季でもあまり人気がありませんでした。ナンバーは良いのですが、ストーリーに問題があったと聞いています。同様に「エビータ」も輸入されましたが、ブロードウェイでは消えています。背景が難しかったとも聞きます。オン・ブロードウェイでも数週間で消える作品も少なくないと聞きます。

オン・ブロードウェイ作品だから良い作品という評価は、当てはまりません。劇団四季や東宝は、オン・ブロードウェイの輸入を大量に行っていますが、その中に結構外れも混じっているようです。小屋を開けてみないと分からないことも多いですが、外れ作品を有り難がっても始まりません。

外れの輸入版が、当たることもある

逆にオン・ブロードウェイで不人気であったもので、日本が成功させた作品もあります。NYに実在する玩具百貨店「FAOシュワルツ」を舞台にした「big」がそれです。主演に唐沢を据えたことが当たってヒットを飛ばしました。ただし人気を煽りすぎて、高いチケットを押し売りしていますが・・・。

当たることが良い作品である」とも言えません。しかし、当たりもしない作品が派手に客を呼び込むよりもマシだと思います。良い作品というのは、何回観ても飽きさせないもの、あるいはもう一回は観たいと思わせる作品であると思います。また、ブロードウェイでヒットを飛ばす作品でも、メインキャストの出来が良くて人気がある場合もあります。別キャストに入れ替えたとたん、サッパリというのも聞きます。ショーは水物ですね。

輸入物が、バカ高い

とかく日本での輸入作品は、バカ高いです。ブロードウェイでは、オーケストラ席の$75〜$80が最高ですが、四季や東宝ではS席で12,000円とか14,000円とか平気で取ります。版権料が含まれるということもありますが、宣伝費など無用なものに金を使いすぎています。版権料も、ヒットしてから契約するために、高額になっていると聞きます。

前評判でチケットを売りさばく体質を早く止めるべきでしょう。まず正論を吐くコメンテイターを育て、プレビュー公演で彼等を招待して評価を求め、その公正な評価を以てチケットの売り上げにつなげるべきです。日本では、メディアの評論家を抱き込んで悪いコメントを出させない癖があります。抱き込まれる評論家も評論家ですが、結果的に公正な評価が表に出ません。

ブロードウェイでも2〜3年の準備期間と莫大な資金を使いながら、公演は数週間という作品も結構あると聞いています。評論家のコメントが悪ければ、チケットがさっぱり売れないためです。本当に質で勝負を重ねていくような体質を作らない限り、いつまでも輸入作品に頼ることになります。劇団四季もオリジナルで良い物を作ってきたはずです。

ともかく、我々観る側の人間も考え方を変えなくてはダメでしょう。前評判ほどに良くなかった作品は、知人縁者にボロクソに広めることが欠かせません。誹謗中傷でなく、公正なコメントであることが前提ですが。結果的に値段でなく質で勝負する良い作品が増えてくれると思います。
多少、作品の出来が悪くても、チケット代がほどほどなら文句は言わないですがね・・・。質に見合わないバカ高い作品が少なくない現状です。