ぱぶりっく・しあたー

3月に文京区役所の新庁舎がオープンし、その中のシビックホールも開場しました。後楽園駅に直結するホールは、極めて近代的で素晴らしいホールです。立地や知名度では、民間小劇場とは雲泥の差があります。

消える小劇場

この数年で、消えていく小劇場が増えています。今は使われていても、遠からず老朽化から消えていく宿命を負っている小劇場も多々あります。もう木造平屋の劇場や、ペンシルビルの1フロアのような劇場の時代は終わったのかも知れません。

まだまだストレートプレイには耐えうるような劇場でも、ミュージカルを観せるには手狭な劇場もあります。客席数が少なく、ステージも小さく、機材も持ち込めない割に、コストがそれなりに掛かってしまうのも仕方がありません。

今は利用者がいるので頑張っていても、利用者が少なくなれば廃業する小劇場が一層増えるかも知れませんね。惜しいことですが、時代の流れかも知れません。

増える公共ホール

それとは逆に、最近は安くて広くて便利な公共ホールが増えています。これまでのような簡素な区民ホールに変わって、大手商業系でも呼べるような立派なホールが増えています。都心なら中ホール規模で一日70万円程度、小ホール規模で一日30〜40万円程度の予算が必要ですが、少し地方へ行けば、一日10〜20万円とお得なホールもあります。

民間ホールであれば、「劇場のランク」というコラムに書きましたが、実績のない劇団に自由に使わせてくれない問題がありますが、公共なら余程でない限り煩いことを言いません。その分だけ競争倍率は高いですが・・・今後も公共ホールが増えていけば、かなり使い勝手もよく成るでしょう。

公共ホールが増えて一番に困るのは、ホール側です。税金で立派なホールを作ったものの使って貰えないと困ります。これまではコンサートなどの誘致が中心でしたが、最近ではその誘致さえ奪い合いなので、演劇の誘致にも熱心になっていると聞いています。客の呼べる劇団の公演で有れば、自らが主催者や後援者になるなど便宜を図って、商業劇団の地方公演の受け皿になったりもしています。

奪い合うコンテンツ

最近ではミュージカルを上演する小劇場系劇団も増え、少しずつミュージカル人口が増えていることも追い風です。四季・東宝・宝塚の三劇団で全観客動員数の9割を占めるそうですが、小劇場系もそう捨てたものではないことに気づいたようです。このため売り込み次第では、安くホールを借りることができると聞いています。

東京芸術劇場では、2月をミュージカル月間に定めて、複数の商業劇団を誘致しました。ホール代を無料にした上に、好評だった公演には報奨金を出したそうです(30万円とかだったと聞きます)。日頃から小ホール1・2を小劇場系劇団に貸し出していることもあり、東京圏では一番に熱心だと聞いています。亀有リリオ・世田谷パブリックなども熱心で、川口りりあ・松戸森のホールなども頻繁に名を聞きます。

公共ホールを使いこなせれば、一般客も呼び込めますし、チラシや宣伝も比較的簡単になります。古い劇場ほど自由は利かず、少し割高ですが、メジャー化を進めるには有利でもあります。これまでは利用者による奪い合いでしたが、これからはホール側の奪い合いに成るかも知れません。

そのためには一般客をたくさん呼び込めるように、劇団側が体質改善に頑張る必要もありますね。内輪受けばかり狙わない、送り出しなどで身内ばかり優遇しない、チラシもプログラムもきっちり作る・・・そういう努力を皆で取り組んでいけると良いですね。