monologue(米語表記:monolog):独白、1人芝居、長談義
モノローグ
といえば、名作「コーラスライン」が有名ですね。オーディションを受けに来た若者たちが、次々に独白を重ねていくところが共感を受けて、長い間ロングラン記録を更新してきました。
ずばり「モノローグ」というタイトルのナンバーが登場しますが、ナンバーを聞いただけでは意味不明です。作品の始めから伏線を追っていくと理解も進みますが、実際のところはプログラムを読み返し、参考書を読み漁らなくては分からない点が多いです。
この名作にしてからが、アメリカ人としての教養を持ち、舞台の歴史背景を学んでいなければ分からないことが多いです。様々な差別・劣等感・貧困・社会不安・オーディションなど、難しい要素が十分な前置きなく並べられるためです。
ナレーション
ナレーションも、モノローグの一種です。芝居の中では表現が難しいもの時間が掛かるものを、モノローグ調で語り進むことで、時間を節約して理解を早めてくれます。主人公始め登場人物が語ることもあれば、ナレーターが語ることもあります。
1991年に四季が作り上げたオリジナル「ミュージカル 李香蘭」では、川島がナレーター役を務めつつ巧い芝居運びを行います。嫌味がなく、背景がよく分かると評判です。抑揚のある語り、滑らかなメロディ、間のいい進行でありました。
一方で、TS先生の代表作品では、老人のモノローグがダラダラと長く、勝手にテンションが上がっていって・・・客が引いてしまうクライマックスシーンもありました。語り手の技能にも依るのでしょうが、作品全体の雰囲気を潰していました。
モノローグは、難しい
モノローグは、ストレートプレイであればともかく、ミュージカルでは難しいと思います。もちろん芝居の部分で入れれば問題は少ないですが、短すぎても長すぎても作品の質を損なうようです。
また、そのセリフ自体が難しいようです。変に話を絡めたり、伏線を張りすぎたりすると意味不明に成ってしまいます。何よりも俳優さんが舌を噛むような難しいのは、困るでしょう。観客は感情移入も図ってくるわけですし、背景が分かれば入りやすいものの、あまりギチギチにキャラクターを設定されても難しいです。
それから登場人物が多いのに、コーラスラインと同じように全員にモノローグを入れると大変です。先日のミュージカル座公演で、これがありました。せめてモノローグする人物の数を減らして欲しいところですが・・・伏線が今ひとつ明確でなく、主題がバラバラになったことも失敗でしょうか。。。
とかく脚本は手の掛かるものです。キャラクターの設定をはっきりさせようとして、ダラダラとモノローグを入れてしまったり、演技で示せば良いものをセリフで説明してしまったり、抑揚が持てずメリハリなく、平たくなったり・・・本当は、あまりモノローグに頼ってはいけないのかも。
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