茶道に在る言葉だそうです。「この機会は一生に一度のものと考えて、主人も客も最善を尽くせ」という意味だそうです。何にでも通じる言葉だと思いますが、ミュージカルでも、そうだと思います。
最初からパーペキで、元気良く
大きな商業公演になれば、プレビュー公演というのが、ありますね。明確にプレビューと銘打っていない場合も多いですが、関係者や評論家を集めてする披露会ですね。ここで出た意見を集約し、さらに演出家の吟味なども入って、本公演では作風が変わってしまうこともあります。
プレビューも一般客を入れる場合があるので、できる限り高い完成度を求めたいところです。しかし、装置や照明・音響などもレッスンやゲネとは違うアラが見つかるようです。制作から携わっていない人たちの意見というのも、なかなか貴重なようですし・・・。
それとは別に、初回公演にミスが多く、パッとしない公演は多いと感じます。不慣れさもあるのでしょうが、元気が不足している場合も見掛けます。初回公演しか観なければ、当然に評価は厳しくなりますので、観客としては初回公演でもパーペキで臨んで欲しいです。ゲネで完璧に仕上げて下さいね。必要なら公演日の数日前から会場をリザーブするべきです。
最後までパーペキで、へばらずに
地方巡業をする作品や、1か月集中公演する作品では、キャストの疲労が目立ちます。初回頃は元気だった俳優が、声が出ない、足がもつれる、科白が伴わない、なんて作品は興醒めします。キャストの質が高く、前評判が高い作品ほど・・・裏切られる期待は大きいです。同じチケット代を払うので、質は最後までパーペキに維持して下さい。
もしも連続公演が応えるのであれば、ダブルキャストにするとか、週1〜2回の休日を設けるとか、工夫が欲しいです。もちろんキャストの個々人の自己管理の問題でありますが、興業主の考えばかりが先行するのは、いかがなのでしょう?
あとは演出家さんに申し上げたいのですが、本番直前と本番直後の特訓は控えて下さい。直前のものは当日に、直後のものは翌日に、それぞれ悪影響が残ります。もしも劇団員が望んだとしても、いずれも少し時間を空けて、ほどほどにして下さい。開場やお見送りにも触りますので、ご配慮に期待します。
カーテンコールを重視して
小劇場系で目立つのは、カーテンコールの練習不足です(笑)。
観客の満足度は、まさにカーテンコールに掛かっています。どんなにチグハグした作品でも、カーテンコールで纏まればOK! 「終わり良ければ何とやら」です。いくつかの劇団のゲネを拝見して、カーテンコールのレッスンを適当に済ましているのを見掛けます。テレは分かりますが、練習不足は本番に出てきますよ。
それから盛り上げる工夫も研究しておいて下さい。どうやって観客の拍手を引き出すか、どのように一体感を盛り上げるか、どんなポーズでアピールするか・・・四季や東宝で研究して下さいね。拍手を貰うのが下手なカーテンコールは最悪です。一つに難しいテンポ、二つに纏まりの悪いテーマ、三つに不慣れなキャスト。よろしく重視して下さい。
観客もどこまで一期一会の覚悟を持ってくるのか、疑問ですけどね。公演中にケータイを鳴らす客、禁止される飲食を続ける客、居眠りやアクビをかます客・・・そういう客を舞台に引き込むかどうかは、まず主人たる劇団の決意からではないでしょうか。
観客としても、一期一会の覚悟は、しっかり持つようにしましょうね。
- 「パーペキ」とは「パーフェクトに完璧」というローカル用語です。
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