どんな素晴らしいミュージックでも、どんな素敵なコーラスでも、音入りが悪ければ最悪ですね。マイクが悪いのか、音響設備が悪いのか、それとも俳優さんが下手なのか、判断に困ることがあります。
問題の多い音入り
劇場毎に音響機材が違いますね。あるいは持ち込みする劇団もあるようですが、それでも相性などで上手く音が出ないことがあるようです。劇場の構造によって反響なども違うので、その辺りの調整も難しいようです。
でも、しかしです。同じ公演を複数回見比べた場合、特定の公演だけ音入りが悪い場合があります。度々聞こえなかったり、ハウリングを起こしたり、セリフのインとアウトでブチブチだったり・・・う〜む台無し。開演前の点検が甘いのか、その公演に限って音響操作のスタッフが下手なのか、金かえせ〜、と思うこともあります。
床マイク/スタンドマイク
マイクがきちんと音を拾っていない場合もあります。一番見掛けるのは床マイクですね。ステージの前方ギリギリに寝かせたり立てたりしている棒状のマイクですが、指向性が悪いのかノイズを拾う割に、肝心のコーラスなどが入りません。またソロは普通でもパワーが弱いので、床マイクで拾うのは至難の業ですね。
たまに見掛けるのがスタンドマイクです。歌謡ショーやコンサートならともかく、俳優さんがスタンドマイクを握って歌うのは恥ずかしいです。ワイヤレスマイクでも同じですが、演出でカバーして欲しいです。
耳マイク/胸マイク
これはキャスト全員(またはメインキャストのみ)が着けるものですが、音入りは抜群に優れています。ただワイヤレスであることと、バッテリー駆動であることで、油断すると全く音を拾わないことがあります。ノイズを無くそうとすると音響操作も大変みたいです。
胸マイクは口元に近い場所に付けますが、ダンスナンバーでは外れやすく、指向性の問題で音が拾えないトラブルもあります。床に落として使えなくなると・・・高いのですよね。耳マイクはテープなどで顔に張り付けてますが、結構目立ってしまいます。インカム式で、わざと目立つものを使っている劇団もあります。
ミュージカル集団コーラス・シティは、肌色のテープで耳マイクを固定し、目立たない工夫も兼ねていました。
感度は良好ですか
何はともあれ、劇場の大きさと、キャストの人数と、ダンスのハードさなどで、一番適しているマイクを採用して欲しいです。少なくとも床マイクと他のマイクを併用するのが良いと思います。予備を用意するとかフォローもして下さい。
マイクの点検は入念にして欲しいです。本番でマイクが音を拾わなくて慌てないように、事前の点検を怠らないで下さいね。それから手荒に扱わないこと、でしょうか。マイクも音響機器も気分屋さんですから、優しく接してあげましょう。
音響機器のレベルは年々向上しています。オペレーターの技能も年々向上しているはずです。その分、機器の使用量やオペレーターの人件費も上がるのでしょうが、作品評価の根幹に関わりますので、ぜひ配慮して欲しいと思います。
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