ウチのレポートを見ていただけると分かると思いますが、最近は子供をメインにしたミュージカルが増えていませんか?
子供は客が呼べる
子供が出演すると、その親兄弟から一族縁者まで多くの観客を呼ぶことができます。成人した俳優の場合、親兄弟は来てくれても毎回というのは難しいですし、親戚までと言うのも難しいです。友人の多くは社会人をしているはずですし、友人の父兄なんて普通は来ませんよね。。。
昨年からジョーズカンパニーも子供ミュージカルに手を染めましたし、ミクロコスモスも作品が揃って全国行脚を始めています。郡司プロダクションは定番のギャングほかがあります。劇団そらは自分のプロダクションの子役を中心に公演していますね。
公演は二つか三つの組(赤組・白組とか、A組・B組とか)に分けて交代で出演させています。こうするとキャストが50人以上になって、チケットの捌けが良くなります。
スクール運営で一石二鳥
子供の場合は、ダンスレッスンや歌レッスンで授業料が取れます。ステージを観に来た観客が自分の子供を次回の公演に出したいと思えば、当然レッスンに来させるようになって授業料収入が増えます。そうすると、また次回公演で呼べる客が増えるわけですね。
実態は分かりませんが、子供の場合はギャラを出さずに済んだり、出してもわずかで良かったりするのではないかと思います。普通に大人を採用するよりも安上がりですね。一方で、大人達は全ての公演に出演することでギャラの取り分を増やすことができますし、公演回数を増やせれば、舞台装置ほかの費用負担も軽くなります。なかなか子供ミュージカルは旨味がありそうです。
でも、仕方がないかな?
子供ミュージカルの在り方を批判するつもりはありません。知人に聞いたところでは、スクールでも開設しないと自前の公演だけでは食べていけないそうです。スクールを開設すると発表会をする必要がありますし、それなら商業公演にした方が赤字を出さなくて済みます。あとは子供を使うミュージカルだとスポンサーを取りやすいという背景もあるようです。背に腹は代えられないと言うことですね。
大人の劇団員もスクールの先生にすれば給料を払えますし、プロパーの劇団員を養いやすく成ります。そうすれば、劇団のカラーも保てますし、分業もし易くなります。問題は・・・子供ミュージカルだけに填らないことですね。子供ミュージカルでは作品の質が相対的に低くなります。
子供たちは何年も所属してくれるのではないし、いずれ多くは演劇から離れてしまうでしょう(受験期に差し掛かると本人が続けたくても、親が煩いんですね)。大人になっても演劇が続けられるよう、正規の劇団員だけの公演も続けて欲しいと思います。そのためには子供ミュージカルで糊口の資を得ることに成るのか・・・。
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