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雑記帳No.223
サルには、分かるの?

 専門書は、必ず立ち読みしてから購入しています。値段が高いですし、スカを掴むと時間もロスしますので、慎重を期すためです。書店に出掛けると、専門書コーナーのアチコチに入門書が積まれています。いわく「誰にでも分かる・・・・」、「十時間で分かる・・・・」、「・・・・パーフェクトガイド」等々の決まり文句が書かれています。
 ところが、上記のような決まり文句の書かれている入門書で、購入したモノは過去ありません。タイトルが気に入らないというのでなく、中身的に入門書と思えないほど難解なもの、レイアウト他が珍奇なもの、価格の割に薄っぺらなもの、が多いためです。「・・・・入門」とか「初心者のための・・・・」というシンプルな専門書に、良書がよくあるというのが、これまでの経験則です。

 なかでも「サルでも・・・・」というフレーズを使った入門書は最悪です。確かに、イラストが多用してあったり、吹き出しや漫画が追加されていたりしますが、チンプンカンプンな書籍が多いです(某出版系サイトでは、書籍は17タイトルもヒットします。コラムはもっと多いです)。私の理解力が「サル」を下回っているのが原因なのでしょうが・・・著者様の偉大さを思い知らされることがあります。それでも、書店で平積みされるのだから、愛読者は多いのでしょうね。
 人を小馬鹿にしたタイトルを付ける著者は、偉くとも独善的な方が多いように感じます。「オレは専門家だから、黙って読め。理解できないのは、オマエがサル以下だからだ。もっと勉強しろ!」という主張ですか? 立ち読みですので、十分に吟味はしていませんが、イラストや文章の運びにもその臭いが強く漂っています。皆さまは、そうでも無いのでしょうけれどね。
 とくに「サルでも・・・・」というフレーズは、数年間使われていますので、多分名著もあったのかと思いますが、二番煎じの著作に名著があるのでしょうか。本当にサルに読ませて理解させたのか、疑問を感じることも多いのです。きっと謙虚で素直な読者が、多くいらっしゃるのでしょうね。ポン太のサイトへお運びくださる「寛大なる、お客様!」も多いので。

 それは、さておき。近頃、英語の学習に目覚めました。まだまだ初級者ですので、中学英語の本から復習しています。英語関係の専門書では、千円クラスに良い本が多く見つかりました。二千円以上の方が「サルでも・・・・」式の本が多くて困惑します。著者の方々は、英語教育の権威でしょうが、本当に生徒さんの苦悩にお気づきなのかどうか・・という本が見受けられます。
 でも、千円クラスには「私も苦労したけど、英語が話せるようになったのです」という謙虚な本や、「ようやく生徒さんに分かって貰える本が纏まりました」とシミジミ語っておられるような本が多く、ホッとします。内容の充実度に較べて、お買い得なのも嬉しいです。きっと、ベストセラーにでも成って、広く普及してくれるでしょう。そういえば、高い教材ほど身に付かなかったと嘆く、同僚や友人も多いです。やはり大事なのは、理解を助ける入門書ですね。

 一頃は、「浴びるように英語を聞け」とか、「石にかじりついても難読書を読め」とか、スパルタ方式が目立ちました。しかし、随分と下火になりました。近著で増えているのが、音読を進めるものと、中学英語に立ち返るものです。音読は、比較的読みやすくリズムを愉しめるものが選んであります。中学英語も、ポイントを整理してカテゴリー毎に把握すれば、意外に理解ができます。知識を細切れで詰め込んでいた中学授業が誤っていただけで、中身としては必要十分なものだったのだと実感しています。
 ようやく海外遠征の経験が三回。英語のミュージカルも二〇本近く観たというのに、未だ英語力が発育途上の私は、せめてサルに成りたいと頑張っている次第であります。一冊でも良書に当たって、英語力を高めるように頑張りたいと思います。

 それにしても、「誰にでも・・・・」とか「サルにでも・・・・」という本を買って、本当に分かる人って多いのでしょうか? 分かることができないのは、私だけ? 1冊読み終えるのに15時間も掛かるのに、10時間で分かる本って何なの? などと・・・チョットばかり、拗ねてしまう今日この頃です。

03.01.13
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