世界に冠たるメディア王国・・・なのだそうです。日本国内には、数多くのTV、ラジオ、新聞、雑誌があります。確かに、大小を合わせると無数のメディアが存在し、欧米を凌駕するようです。その報道レベルや内容については、敢えて触れないことにしますけれど。
このメディア王国のお陰で、日本の多くの若者は、無尽蔵の情報を入手することができます。インターネットも普及し、国内外の情報をリアルタイムで収集することもできます。よって、ある事実に対して関心を持つならば、即座に望んだ情報を入手し分析することができます。社会問題に限らず、経済問題や政治問題についても、自分の疑問を解消してオリジナルの考えを身につけることができます。
例えば、社会問題に関心を持てば、様々なボランティア活動に参加することができます。近頃ではNPOやNGOが若者に門戸を開放し、多種多様な価値観を共有し、何かしら社会の役に立つ行動ができます。また、経済問題に関心を持てば、収入によって制約を受けることもありますが、自分で投資をしてみたり、学生ベンチャーを立ち上げたりも可能です。お手軽にネットビジネスを始める選択もあります。
しかし、政治問題に関しては、参政権の壁があります。どんなに立派な知見を持っていても、参政権を得るまでは政治問題に直接関与できません。他方で、参政権を持ちながらも全く行使しない若者も多いです。彼らにも言い分があり、今の日本政治に呆れる、魅力を感じない、興味を失った、などの声が聞かれます。関心を持てた頃には参政権がなく、持てる頃にはウンザリしているのが実情でしょうか。
もしも学生時分から政治に関与することができれば、もう少し政治問題に対面する意欲も産まれるでしょうか。社会人よりも学生の方が、政治問題に関して議論する時間を多く持ちます。学校での講義の影響もあるでしょうが、多くの資料を集めて分析し、仲間同士で話し合うことができます。それが学生としてのスキルをアップにも繋がり、将来の有能な政治家を生む素地を育みます。理論よりも実践、理屈よりも行動、座学でなく実験、という現実に根ざした政治家が、現れてくれると思います。
いま、日本の政治家の低レベル化が課題です。政治家の不正が糾弾される一方で、「清濁併せ呑む」タイプの度量が大きい政治家は、少なくなっています。二世や三世のボンボン議員が増え、官僚出身議員も幅を利かせています。厳しい下積みを経ずして、順調に当選回数を重ね、大臣ポストを得る代議士が多く見られます。結果的に、人物的に脆く、リスク管理が甘く、危機対処能力がありません。
いっそ大卒や高卒のまま地方議員への道を開き、十分に地方で苦労してからでないと、国政に参加できない仕組みにしてはどうでしょう。地方で評価される実績を上げた人が中央に出てくる、それが国政を活性化させる方策になると思います。それなりに歳を喰った官僚が国政に出てくるのは難しく成りますし、二世・三世も親の威光を借りにくくなります。優良な新人を得るために、被選挙権を20歳ぐらいまで引き下げるのも一考です。
また、参政権(選挙権)ですが、個人的には十六歳から与えても良いと思うのですが、とりあえず十八歳から与えてはどうでしょうか? 国政参加に不安があるなら、地方選挙のみ解禁でも良いと思います。中卒で就職する人もありますし、高校生や大学生でアルバイトする人もあります。所得税他の直接税を納めたり、消費税他の間接税を納めたりもしています。納税義務だけ負わせておいて、参政権が無いのは不公平です。
実際のところ、参政権の対象を拡大することで、若者の投票者が増える保証はありません。結局は関心が無くて、投票率が低下するだけかも知れません。しかし、永田町や霞が関の論理が通りにくくなることは、増えるでしょう。しかし、十八歳や十九歳の有権者が登場すると、現職候補は確実に危険になります。彼らが歳を重ねていくと、そのインパクトに自信を得て、さらに若い年齢層と結託して、より影響力を増やしていくかも知れません。
旧態然の政党政治も限界にある今、本当に必要なのは政治の活性化です。現職の先生方にはご迷惑でしょうが、どうか若い有権者を増やすべく、参政権を十八歳から与えてください。尽力された先生方には、実りある結果が得られるはずです。
03.04.05
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