第16回「夢の卓上打算器」を書いてから、間もなく5年になります。しかして、開発着手の噂もなく、協力依頼もない・・。う〜む、世の中は不況だ(全く関係なし)。読者の方からも、「あったら便利ですよね」とか、「私は結構使えてます」とか、ご意見を頂けますが・・なかなか難しいですよぉ。しかも近頃は、生体機能の一部と化した打算機能に狂いを生じてます。
言ってみれば、貸し借りが通用するのは「学生時代+α」までかも知れません。大人になれば、誰しも自分に有利な打算を巡らせがちです。あるいは金銭での解決を図ろうという、浅ましい考えも増えがちです。第49回「天使の配剤」でも書きましたが、所詮は、一回の借りには、一回の貸しでしょうか。また気まぐれなので、お互いに貸しだと思っていたりすることも屡々あるのかも。
とはいえ、それなりに貸し借りがバランスするのは当たり前で、仕事と関係のないプライベートな間柄では、だいたい帳尻が合います。プライベートな関係では、借りばかり作る人間は敬遠されますし、貸しばかり作る人も何か魂胆が・・なんてことも。パブリックな関係では、貸し一方の人、借り一方の人もあります。力関係や職務上の問題もあって、認めざるを得ないこともありますけどね。
冷静になって考えれば、やはり貸しと借りは精算されるべきだと思います。上記したように、個々人の主観だけに依存すると、相互のバランスシートの合計がアンバランスになります。客観的な数値が必要ではないかと思います。純粋にどちらの持ち出しであったか、無意識の分をどう考慮するか、云々。そのためにも打算器が普及して欲しいです。とくに汎用性のあるものをね。また、両者の合意があれば係数調整などをして、外目には一方の貸しだけど、互いには貸し借りなし、なんてのも良いですね。納得ずくなら、問題ないし。
天使の配剤の不味さは、天使の気まぐれに依存していること。気ままな配剤に期待するほど、バカな話は無いものです。やはり必要なのはバランスで、しかも数値化されて見えると嬉しいです。だから、天使にも携帯型の打算器をプレゼントしますよ、私は。いつか見た(と言い張っている)天使と同じかどうか分かりませんが、彼らに無償で差し上げたいと考えている、今日この頃。
えっと、少し現実に戻します。職務上のパートナーで、ある意味仕方が無いにしても、意図的に不合理なバランスを押しつける人があります。こんな人には、数値化してはっきりさせたい。貸しばかり作るのも納得できませんが、借りを一方的に増やされるのも困ります。例えば、毎度飲み代を奢ってくれるとか、いつも問題を処理してくれるとか。いずれ何かの貸しで精算する腹なのか、それとも無償の隣人愛か・・なんてことを。
いくら帳尻合わせと言っても、現金で埋め合わせるのもどうかと。必要なのは、誠意あるいは愛情、そして親切・公平・公正などでありましょう。昔に先輩から貰ったという借りを、又貸ししてくれる人もあります。こういう借りは、そのさらに後輩に又貸ししていくのが良いのかも知れません。しかし、伝承せずに独占する後輩なども居て、ちょっとツッコミを入れたくなることもあります。
なんだか意味不明になりました。そうであっても、私はですね。あなたにも卓上打算器を差し上げたい!!
03.02.28
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