前頁へ  ホームへ  次頁へ
雑記帳No.201
り み っ た ぁ

 計量バネ秤。小学校の理科で学ぶように、バネ弾性を利用して、所望の試料の重さを量る道具です。バネはかりには測定可能な限界値があり、限界値を超えるモノを量ろうとすると、目盛が振り切れてしまいます。そればかりでなく、バネは復元力を損なわれて、正しい重さを量れなくなります。
 近頃は、電子計測機器も増えているので、あまり問題にも成らないかも知れません。デリケートな数値を量る場合は、無理をさせると正しい重さを量れなくなったりしますね。

 そういう無理を回避するのが、リミッターの役割です。測定不能以上の負荷が掛かったら、機能します。単純なところで、秤の下に支点が設けてあるとか、支持針が振り切れる(レンジアウト)部分になると、バネを切り離してしまうとか。電子機器で言えば、ブレーカーが作動するとか、ヒューズが飛ぶとか、、、色々なリミッターがあります。要するに、「無理をさせないでね」という仕組み。
 人間にも天然に備わるリミッターがあります。頭に血が上りすぎると、視界が真っ白になり、思考が停止する。疲れが溜まりすぎると、カフェインを摂っても、眠ってしまう。病状が激しくなると発熱し、限度を超えると倒れる。重い荷物を持つと、腕が痺れて持てない。かなりアバウトなものも含まれますが・・一応のリミッターはあるようです。人間のリミッターの場合は、多く理性に制御されるようでもありますが。

 ところが、極限状態に置かれると、リミッターが外れてしまうことがあります。例えば、電子計測機器の上に人間が飛び乗ってしまうとか・・予測を越えた負荷であれば、リミッターは機能しません。バネ秤をトラックで轢いてしまえば、もろともに潰れます。
 人間の場合は、少し違いますか。火事場のクソ力・・などと言いますが、緊急避難的にもの凄いパワーを発揮することがあります。確かに火事場なら、100キロの荷物を抱えて全力疾走したりなんて話を聞きます。重傷で立ち上がれないはずの兵士が、敵襲を受けて走り逃げたなんて話もあります。いざというときに、最後の一馬力を出せるということでしょう。こうした場合、その後に訪れるのは巨大な脱力感と、肉体疲労でしょうが。

 さらにリミッターを自在に外せる人達もあります。例えば、スーパースター。どんなに疲れていようとも、ファンを目の前にすれば、たちまちパワー百倍。コンサートで元気良くステージを駆け巡ったりします。また例えば、マラソンランナー。どんなに限界が来ていても、ゴールまでフルパワーを出し尽くします(練習のタマモノです)。
 機械と違って人間は、鍛えれば鍛えるほどに、リミッターのパラメータを向上させることができます。内臓しかり、筋肉しかり、頭脳しかり。より重い負荷に耐えるよう訓練することと、理性に新しい限界値を記憶させること、これによりリミッターがアップします。とはいえ、理性の限界値が高めに設定されすぎて、リミッターが正しく機能しないこともあるようですが・・「いやぁ、もう歳だね」で誤魔化さないことが必要でしょう。

02.03.03
前頁へ  ホームへ  次頁へ