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雑記帳No.183
ボートで舟遊び!

 夏です! 今年は梅雨が短くて猛暑が続きました。8月からは涼しい日もありましたが、例年にない暑い夏ですね。夏ともなれば、海へ出かけて海水浴です。たまには「ふなあそび」もいかがでしょう? ボート遊びに適するのは春か秋ですが、海水パンツでヨットやカッターに乗るのも楽しいですよ。

 「ふなあそび」と言うときに、「船遊び」と「舟遊び」の二通りの漢字が使われます。一般に「船」は動力付きの大型船舶で、前者の場合は豪華客船でリゾート旅行のイメージでしょうか。「舟」は動力のない小型の手漕ぎボートで、後者の場合は海岸で貸し出すボートのイメージでしょう。筏、カヌー、カッターという感じです。
 カッターというのは、馴染みがない方もあると思います。映画「タイタニック」に登場したような、救命艇を思い浮かべると良いでしょう。大型船舶に備えられるのが一般的で、港湾施設のない浜辺に上陸したり、海難救助に派遣したり、という使われ方をします。いわゆるボートが一人漕ぎであるのに対して、カッターは複数人漕ぎです。また、右舷と左舷に分かれて二人が並列漕ぎすることが多いです。収容力と速度を確保するためには、漕ぎ手の多い両舷漕ぎが便利なのです。

 それはともかく、手漕ぎボートでもカッターでも、オール(櫂:かい)の漕ぎ方は同じです。プレートを利用して、どれだけ多くの水を後方(または前方)へ櫂出すかが勝負です。とくにカッターの場合は、他の漕ぎ手との共同作業のため、同じペースで櫂出すかが勝負です。下手をするとオールを水に奪われてしまうのです。
 上手な漕ぎ方をするには、プレートの動きを知ることから始めます。プレートを巧く制御できれば、腕力はさほど必要ありません。通常、漕ぎ手はボートの進行方向に背を向けます。ボートの縁(舷側といいます)に備えたクラッチにオールをはめ込み、オールのハンドル(プレートの反対。人が握る方)をできるだけ前方に突き出します。両腕はまっすぐ伸ばします。

 プレートは後方を下に斜め45度で水面に突き入れ、プレートを左回転させつつ前方へ(ハンドルは胸元、つまり後方へ)動かします。プレートはクラッチの真横でほぼ垂直になり、最前方で下に斜め45度として引き抜きます。きちんと前方を下に斜め45度であれば、腕力の必要なくオールは引き抜けます。このとき上体は後方に倒れているはずです。ハンドルを胸元に引き寄せる反動で上体を起こし、腕を伸ばしつつオールを前方に運びます。あとは、この繰り返しです。
 オールはできる限り長く水を掻くのが好ましく、戻すのは短くあるべきです。号令があれば、「イ〜〜〜〜チ、ニィ」という感じでしょうか。複数人で漕ぐときは、全員が同じリズムで漕ぐ必要があります。プレートは深すぎず浅すぎずで、巧く水を掻いたなら、後方の水面に大きな渦と水泡が生じるはずです。

 たかが手漕ぎボートと思うなかれ、船体の軽いボートほど、快足が保証されるでしょう。ボートの一人漕ぎは、バランス感覚が重要ですし、後方確認もお忘れなく。ボートで岸壁に衝突したら大けが、そしてボート代弁償に成ります。海水浴場の場合、沖合に出るのは禁止されることが多いので、ほどほどで楽しんでみましょう。

01.08.05
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