補足1
日本軍の暗号を補足します。日本軍が暗号を全く変えなかったというのは、いささか誇張です。その暗号の基本技術は、全く進歩しなかったというのが正しいでしょう。米軍は、1940年に暗号自動解読機「パープル」を開発し、本土・ロンドン・フィリピンなどに設置していました。この解読機によって、海軍の暗号(通称、D暗号)も外務省の暗号も全て解読されていたのです。
真珠湾攻撃の際にも、日本軍の来襲を政府は知っていました。また、外務省に即時開戦の腹が固まっていることも知っていました。両方を知った上で、国務大臣ハルは日本軍全面撤退の条件を突きつけて、日本を開戦に追い込みました。さて、なぜ政府は真珠湾の軍司令部へ一報をしなかったのか。今でも謎だとされます。対独・対日の開戦に慎重な議会や国民を誘導するためだったと言われていますが、3,000人以上の死者と引き替えにしたのは、どんな理由があったのでしょうか。
しかし、真珠湾の奇襲に味を占めた日本軍が、猪突猛進を続けたのは間違いありません。東インド洋・珊瑚海など都合良く米英の艦隊が出撃してくることに、何の疑念を持たず、ミッドウェー海戦に打って出たのは、あまりに稚拙でした。
01.03.24
|