第3回「ポン太の好きなもの」をご覧になって、「中央突破・背面展開」の意味が分かるお客様はポン太通です。あるいは、銀英伝通(今週のこの小説第1回を参照)でいらっしゃいます。これは戦術の一つで、相手の特定の部分に集中攻撃を仕掛けるというもので、ついでに全速力で突っ込んで相手の防御を食い破り、さらにその背後に展開して後方から攻撃する・・・というものです。
やや、物騒な・・・と言わないで下さいね。ポン太の武器は銃や剣ではなく、舌なんですから。舌戦で使う、ポン太お得意の戦術なんです。ウチの職場には賢い人が多いです。あらゆる事に知恵が回るというか、アレコレ細かいというか、平たく言えば理屈っぽい人が多いんです。単に理屈が多いのならマシなんですけど、屁理屈で議論のための議論をするのが好きな人が少なくありません。
こっちは貴重な時間をミーティングに使うわけですから、議論のための議論、屁理屈を押さえ込むための議論に労力を使うのは無駄です。そもそも不毛です。ですから、相手の論理矛盾に正面から攻撃を集中させ、怯んだ所をズタズタにして理論武装を突破し、相手の構えていない方向からボコボコにする・・・ようなことをします。
もちろん時と場合によります。相手が目上の人だとダメージを与えすぎると不味いので、とりえず相手の逃げ道を残しておいて、そこへ逃げてくれるようにし向けます。完全に追いつめると無駄に時間が必要ですし、ポン太のイメージも下がるので、相手にさっさと矛を仕舞わせることも必要なのです。これが半包囲ですね。相手に逃げ道と思わせておいて、もう一段ボコボコにすることもあります。これが殲滅です(えげつないな〜)。
何度か痛い目に遭わせておくと、無駄な議論は必要が無くなります。相手に理論武装をしても無駄だぞ、と思わせられるからです。もちろん建設的な議論をする参加者には、こんなマネはしません。貴重な意見を逃すのは勿体ないですし、必要以上に敵を作る必要も無いからです。当然ですよね。
そのほかには縦深陣というのもあります。諸葛孔明が好んだ戦法ですが、相手に隙を見せて好きなだけ攻撃をさせる戦術です。逃げると見せて左右に伏兵を置き、だんだんスピードを上げて追わせて相手に状況を考える余裕を失わせます。相手は調子に乗っていますので、注意散漫に成ります。頃合いを見せて一気に逆撃を加え、さらに細長くなって、途切れそうな戦列を伏兵でズタズタにします。敵は分断されて弱気になりますし、逃げ道を失って戦意を喪失します。
相手を殲滅するには一番有効なのですが、途中で気付かれると意味がありませんし、ダメージを与えるのに時間が掛かるのが難点です。余程の議論好きか、自信家が相手でない限りポン太は使いませんが・・・。何しろ相手の敵意はもの凄く高まりますし、周囲も相手に同情してしまうので、時と場合によりますねぇ。
そもそも無益な舌戦をしなくて良いように、出席するミーティングは取捨選択したいところですが、まだまだペーペーですから望むべくもありませんね。
99.06.13
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