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雑記帳No.059
世 紀 末 楽 観 論

 ロックバンド「聖飢魔U」が年内で解散するそうです。リーダーのデーモン小暮は、初期の目的を達成したからだと語っています。まあ、来年一杯で世紀末も終わるから解散も当然かな、と思います。まさかと思いますが、デーモン小暮さん。来年から新世紀だと思ってらっしゃるのではないでしょうね。。。
 このグループがデビューしたのは17年前の1982年。安直なネーミング、どぎつい悪魔風メーキング。よく続いて1年ほどの話題性と思われましたが、ずいぶん頑張りましたね。とかくリーダーのパーソナリティに負うところが大きかったのでしょう。富士フィルムのCMはロングランでしたし・・・。

 それはさておき、ノストラダムスという変人が書き残した予言書のいう「恐怖の大王」は今年中に降ってくるのでしょうか? 彼は16世紀のフランス人医師です。占星術に凝って長大な予言詩「諸世紀」を書き残しました。研究家の話に因れば、この書物には世界中の数々の事件が、細部で形を違えながらも全て示されているそうです。ヒトラーの出現まで予測したそうで、きっと湾岸戦争や北朝鮮危機なども形を変えて書かれているのでしょう。
 日本にノストラダムスが紹介されたのは1970年台後半のこと。これを書籍で紹介したのは、五島勉氏であり、タイトルも「ノストラダムスの大予言」(祥伝社刊)です。そのおどろおどろしさに惹かれたオカルトマニアにヒットを飛ばし、シリーズも5巻、その後続編シリーズも出ています。このころから海外のノストラダムス紹介本が邦訳されていますし、五島氏の専売体制も崩れました。

 ちょっと待て。ノストラダムスのは「預言」ではなく「予言」に過ぎない。預言は神の言葉が預言者に託された物でありますが、予言は予言者の個人的推測の創作に過ぎません。いくら真実らしく書き表したところで、創作に真実性を持たせることはできません。まあ、いいかな。期日になっても何も起こらなければノストラダムス信奉者は空中分解するのでしょう。
 もしも当たっていたらどうするか? ですって。そのときは一発なんですから、何も悩む必要はないでしょう。貴方がもしも運命なんて物に自分の人生を縛られるのが楽しいのなら、努力も何もせず愚者の戯言を信じなさい。貴方がもしも自分の人生は自分で切り拓いたものだと信じるのなら、愚者の戯言は相手にしないことです。ポン太は後者なので楽観しています。ポン太がHPを書くってことも「諸世紀」に織り込み済みな分けがないでしょう。

 歴史とは、離散的な点によって結ばれているのではありません。歴史は、大きな流れによって創られています。いくつかの通過点を偶然にも当てた(と言い張る)にしても、歴史の流れの進む道をただ一人の人間が言い当てることはできません。ノストラダムスが未来からやって来たエスパー? だとしたら彼はまず、西洋医学の改革と、占星術が無価値である証明をしたはずです。

 平和で希望の持てる新世紀は我々の物です。

99.04.28

補足1
 ノストラダムスの予言にある「恐怖の大王」は1999年7月に来るのだそうです。このため、わずかなタイムリミットを目指してノストラダムス関連本が次々に発刊されているそうです。8月になれば大量の返本は確実ですものね・・・。これまではオカルトマニア向けの方が多かったようですが、近頃はノストラダムスという人物にスポットを当てた作品や、従来解釈への批判など冷静な分析本も増えているようです。こういう本ならこれからも売れると言うことなんでしょうか。
 ところで「恐怖の大王」に関する記事は、ノストラダムスの生前発刊された本には出ていないそうです。社会批判を怖れて存命中は伏せておいたものか、それとも誰かが興味本位で書き足したのか、まあミステリーとしては楽しめそうな話です。今年の年末にでも研究してみましょう。

99.05.09
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