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雑記帳No.028
阪神大震災と明石大橋

 こんな学説を唱えた先生は居ないように思うのですが、私は阪神大震災の元凶を明石大橋に求めたいと思います。

#N4月に開通した明石大橋でありますが、これは二本の巨大な橋脚に支えられた吊り橋です。震災が起きた1995年1月の時点では橋脚のみが完成していました。この橋脚の真下(正確には橋脚の延長線上)には、震災の元凶である野島断層がありました。これは単なる偶然とは言い難く、断層は海底にも延びており、活断層は恒常的に流動エネルギーを蓄えているものです。活断層におけるエネルギーの流れを橋脚の基礎工事が妨げたとすれば、短期間に膨大なエネルギーが蓄えられた可能性があります。もちろん地震科学がご専門の先生方は、お笑いになると思いますが・・・

 かつて休火山のある離島で、造山活動の名残である亀裂部に大量の海水を注入したら火山が活発化するという実験をしたそうです。そのメカニズムは詳しく聞かなかったのですが、人為的に休火山を活火山に変えられるということです。しかも短期間に可能であるそうです。明石大橋の橋脚工事がどのように行われたのかは定かでありませんが、その地下(あるいは海底表面)を走る断層の一部を埋め立てたり、削ってしまったりしたことが断層に無理なストレスを与えた可能性はないでしょうか。発生した地震は、直下型地震でした。断層が自力でエネルギーの流れ道を造ろうとして、発生した巨大なエネルギーの放出ではなかったでしょうか。
 阪神大震災の震源地は、淡路島の最北端。淡路島を南北に貫く活断層の付け根に当たり、さらに対岸の須磨断層、会下山断層、諏訪山断層、芦屋断層、渦ケ森断層に連動しているそうです。震災はこれらの断層を連鎖的に揺り動かして須磨、中央(三ノ宮)、灘・東灘、芦屋・西宮、宝塚にそれぞれダメージを与えました。このダメージの広大さから観て、各断層はこれまでに大きなエネルギーを蓄えてきたことが分かりますが、その引き金はあくまで野島断層であり、また野島断層の南方に連なる断層には大きな影響がなかった点に注意が必要です。
 ここで考えますに、野島断層からエネルギーが流入したのではなく、須磨断層ほかのエネルギーが、淡路島側の断層へスムーズに放出できなくなり、その寸断された明石大橋付近で爆発し、その余波が須磨断層以下に跳ね返ってきたというのは無理でしょうか。淡路島側はエネルギーの流れがスムーズでありましたから、大きな影響を生じなかったのではないでしょうか。

 震源の近くに、あまりにも怪しいものが存在していますのに、灯台もと暗しと言いますか、結局は誰も疑義を抱いていません。明石大橋の建設が震災をもたらす可能性は全く考慮されないで当然なのですが、結果として震災をもたらした可能性がある以上は、徹底的な事実解明をして頂きたいものです。単なる偶発的地震で片づけてしまうことは、阪神大震災の二の舞、三の舞を生じる危険があります。
 こんなことを今頃提起することには、理由があります。今回の震災では大阪湾を抜ける別ルートの活断層は発動しなかったと云われています。現在神戸市は、この活断層上に神戸空港の建設計画を策定中です。市民の中止要望が強い中で、強引に計画を推進しています。神戸空港を断層を埋め立てる形で建設する場合、断層を寸断して再び巨大なエネルギーを蓄える危険があり、これが暴発すれば、瀬戸内海沿岸に壊滅的なダメージを与える可能性があります。それが大阪側か明石側かは分かりませんが、沿岸の神戸市が再び巻き込まれる可能性は高いです。とくに液状化現象程度の被害で済んだポートアイランドや六甲アイランドの水没の可能性も考慮すべきでしょう。

 まず阪神大震災と明石大橋の因果関係を分析し、その上で神戸沖断層の埋め立て可否を検討し、慎重に慎重を重ねた上で神戸空港の建設に着手していただきたいと願うばかりです。もちろん空港を建設しないことが一番の願いであるのですが。。。笹山市長、どうでしょうか?

98.06.22

補足1
 神戸市が何故ここまで空港建設に拘るのか、よく分かりません。週刊日経ビジネスなども酷評していますが、東京で言えば羽田に空港があるところに、もう一つ渋谷に空港を作ろうか、というぐらいバカな話なのだそうです。現在の空港利用者の見込みは新神戸駅の年間乗降客の2倍以上とかだそうで、どう考えても無理な数字です。敢えて建設に踏み切りたい理由は、沈滞している地場土建業のために、かつての開発行政を復活させたいというところにあるようです。つまり産業救済が名分で、採算も何も度外視しているようです。
 近頃は住民投票について市民運動が盛んであるようですが、先頃米軍基地移転の問題で、首長が住民投票の結果を歪曲したり、その発効する前に基地受け入れを政府に公約したり、と住民軽視の首長が出ました。神戸市でもおそらく、空港建設の中止に伴う莫大な損失額を計上して、予算の無駄使いという指摘には、もはや中止などできないと抗弁してくるのは間違いないことです。かつての世界都市博問題を見ているような気もします。
 市長や議員はいざと成れば辞職して市外へ逃げ出せば済む話ですが、市民にはとんでもない迷惑です。震災直後の市議会選挙では建設反対をスローガンにしていた市議会議員が、今は賛成の大合唱です。とにかく公約違反ですから、一度議会を解散して民意を問うべきなのです。そんな議員を選んでしまった市民にも問題がありますが・・。

98.06.22
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