K君の私的曲紹介(第8回)
コンチェルト・グロッソ
(その3)
■作 曲 家
F.Geminiani(1687-1762)
■作品番号
Op.3
■作 曲 年
1733
(
1755
改訂)
◆第3番 ホ短調
筆者の好きなものは、フーガ、短調、半音階の三つ。これを全て満たしているのが添付データにある第2楽章の壮大なフーガ。えもいわれぬ独特の雰囲気を持っており、一般に余り知られていないことが残念にすら感じられる。
もう一つのデータは第4楽章の冒頭から中間部まで。非常に勢いのある楽章で、繰り返し記号後に力強くTuttiで八分音符を奏するところに当時としては珍しい迫力を感じさせる。
なお、この曲はいささか構成が整理されていないところがあり、演奏団体によっては小節の削除も含んだアレンジを行っている。しかし今回MIDIデータを作るに当たってはスコア(Eulenburg版)のとおりとした。
第3番(Part1)
第3番(Part2)
第4番
class8a.mid
class8b.mid
class8c.mid
◆第4番 ニ短調
第2番と双璧をなす荘重な第1楽章に始まり、非常に厳格なフーガの第2楽章、大胆な和声が印象的な第3楽章、それまでの重々しさとはうって変わってクールに曲を締めくくる第4楽章まで、一気に切れ目なく演奏される(MIDIデータは第1楽章から第4楽章途中まで)。
第2楽章フーガが第3楽章の後に繰り返されることをみると、この曲は「切れ目のない四楽章形式」というよりも、「序曲(Ouverture,第1楽章〜第3楽章)+終曲(Conclusion,第4楽章)」とみる方が興味深いだろう。